美少女 26 ページ28
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「…及川、ありがとう」
「えっ！？」
自分が振った相手にお礼を言われるなんて思ってもみなかったのだろう。及川は目を丸くして私を見た。
「あんたのおかげで、色々わかった気がする」
「…そっ、か」
振られたときは、やっぱりショックな気持ちもあって頭もうまく回らなかったが、
今はもう逆に清々しい気持ちにすらなった。
「付き合うのは、諦める、けど」
けど？と、及川が繰り返す。
「私の仮の初恋捧げてやったんだ。
…責任とって、私と友だちになりなさい！」
自信満々にそう告げた私に、数秒経ってから
爆笑し始めた及川。
「な、なんかお前中学のときに戻ったみたい…
あははっ」
「笑うな馬鹿。
友だちになるだけで許すんだから感謝してよ」
あまりにも及川に笑われるものだから、何となく
恥ずかしくなってきた。
くそ、場の雰囲気を和ませようとしたのに
恥かいただけだよ！もう！
「はいはい。俺でよければ喜んで。
お姫さま…ぶふっ」
「ちょっ、昔一部の信者が使ってたあだ名で呼ばないでよ！あと吹くな！」
本当にさっきまで真剣に恋について話してたっけ、と疑ってしまうぐらいの私たち。
…これも、変に意識しないで接してくれるこいつのおかげなんだよね。
まぁ私の和ませ作戦がきいたのかもしれないけど！
「…あれっ、これ時間やばくない？」
「え」
ふと、及川が自分の腕時計を見た。
時間を確認するとあら大変。
昼休みがもうすぐ終わりそう！
「藤原が友だちになりなさいとか言って笑かしてきたから遅くなったー！」
「ずっと爆笑してたあんたも悪いでしょー！」
私たちは、こんなくだらない口論をしながら教室に向かって走った。
廊下は走らない、なんてきまりは完全に無視。
「…つ、着いた…」
正直言って体育館裏から教室までの全力疾走はかなり疲れた。
授業には間に合ったからいいけど…。
「じゃあ、俺もう行くよ」
さすが運動部、というべきか及川は疲れている感じが全くしない。なんか負けた気がして悔しい。
そんな及川は自分の教室に戻ろうとしたが、
「あ、待って！」
「？」
突然呼び止めた私を、振り返って不思議そうに見つめる。
私は、すぅっと息を吸い込んだ。
「…私を振ったこと、後悔するぐらいの女になってやるから」
及川は私の宣言に一瞬大きく目を見開いたが、それから「楽しみにしてるよ」と微笑んだ。
返事をする代わりに、私も思いっきり笑ってみせた。
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ななうら(プロフ) - rioさん» コメントありがとうございます!!続編は、また話とかを考えてから書かせていただこうかなと思ってます！ (2015年9月25日 17時) (
レス) id: fa90d567e6 (このIDを非表示/違反報告)
rio(プロフ) - なんかこの続編とか見てみたいです！面白かったです！完結おめでとうございます！ (2015年9月25日 0時) (レス) id: a7b5d53f58 (このIDを非表示/違反報告)
ななうら(プロフ) - ミントカラー親衛隊さん» ありがとうございます!!面白いと言っていただけてすごく嬉しいです(*^^*)これからも頑張ります！ (2015年9月20日 18時) (レス) id: fa90d567e6 (このIDを非表示/違反報告)
ミントカラー親衛隊 - すごい面白いです!!なんか話の内容とか文の表し方とか…ドストライクです!!これからも更新頑張ってください!応援してます!(*´∀`*)b (2015年9月20日 18時) (レス) id: 6224f0c197 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななうら | 作成日時：2015年9月19日 20時
