episode : 10 ページ11
side / nanamori
気付いたら俺は病院のベッドに寝ていた.
腕には点滴が繋がれていた.
1滴1滴,ゆっくりと俺の体内へと流れていた.
今の状況を上手く汲み取れず,ナースコールを押した.
すると看護師さんが慌ただしく俺の病室にやってきた.
｢ 良かった , 目覚めたんですね … !! ｣
｢ … 俺何で病院に居るんですか ｣
｢ 貴方が街中で倒れてた所を偶然見付けて下さった方が , 救急車を呼んでくれたんですよ ｣
｢ え , 倒れた ?! ｣
｢ とにかく , 先生を呼んできますので待っていて下さいね ｣
そう言って看護師さんは病室を再び慌ただしく出ていった.
何で倒れたのかが分からなかった.
さとみくんを探していただけなのに,何でだろうか.
点滴を見れば,やはり変わらず1滴1滴ゆっくりと流れてきていた.
そんな時でも時間は刻一刻と過ぎて行き,俺は我慢の限界を迎えた.
腕に繋がれた点滴を抜こうと点滴に指を絡め力を込めた瞬間｢やめなさい!!｣と叫ばれた.
鼓膜が破れるかと思う程の大声に肩が上がり,病室の扉の方を見れば怒りの表情を浮かべる男の医師が立っていた.
カルテを持って俺の方へ歩いてくれば,点滴が繋がれた機械を触り俺の方を向いた.
｢ 貴方は疲労で倒れてるんです
何をしていたのかは分かりませんが ,
食事も水分もまともに取って居なかったんじゃないですか ? ｣
確かに医師の言う通りだった.
でも俺に時間を割いている間にさとみくんに何かあったら俺はメンバーに顔向けが出来ない.
｢ … 俺には時間が無いんです
もう大丈夫なので帰させてください ｣
｢ 最低でもこの点滴が終わるまでは帰す事が出来ません ｣
｢ でも俺は … !! ｣
｢ 貴方が傷付いて悲しむ人間が居るでしょう ｣
その言葉に俺は返す言葉が見付からなかった.
何故か,涙が溢れて止まらなかった.
｢ とにかく今は休んでください ｣
医師が俺にポケットティッシュを手渡しながら病室を去ろうとした.
その時,｢あ｣と何かを思い出したかのように俺のベッドの横にある机の上を指さした.
｢ 救急車を呼んで下さった方が貴方へと渡してくれたものですので , ご自由にお使い下さい ｣
指さされた方に視線を移せば,机の上には
水とサンドイッチ,カイロが置かれていた.
カイロには何やら文字が書かれているように見えて手を伸ばした.
｢ ありがとう ｣
見覚えのある字でそう書かれていた.
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ましゅ☆まろ。紫月まろ。(プロフ) - 泣きました。そして、今更ながらですが、完結おめでとうございます！ (7月25日 12時) (
レス) @page49 id: df7b4f216a (このIDを非表示/違反報告)
たろち - 完結おめでとうございます!!とても生々しく人間らしい、そしてすとぷりらしい大好きな作品です。ありがとうございました。 (2022年2月17日 5時) (レス) @page49 id: e2d4e1bc60 (このIDを非表示/違反報告)
namo(プロフ) - いちごオレ。さん» ありがとうございます(；；)♡ (2022年2月13日 13時) (レス) id: eec0e0c5bb (このIDを非表示/違反報告)
namo(プロフ) - らいかさん» ありがとうございます；； (2022年2月13日 13時) (レス) id: eec0e0c5bb (このIDを非表示/違反報告)
namo(プロフ) - 緋桜ひよ子＠ミスキャト黄色担当さん» 見付けて下さってありがとうございます(；＿；)こちらこそありがとうございました! (2022年2月13日 13時) (レス) id: eec0e0c5bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：namo | 作成日時：2020年11月26日 3時
