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第二十一話【ダンテ】 ページ19

「俺の相手、セイトカイチョーさんかぁ〜」

対抗戦会場の入口前でポツリと漏らす。
どこの会場も観覧者の人数はそう変わらないのかもしれないが、ココの注目度はそこそこ高いだろう。
何せもとイ.ジ.メられっ子の成り上がり野郎と出世街道を突き進む生徒会長様による試合なのだから。

来る途中も僕の様子を伺いながらも無神経なことを無関係かのように話す奴等はたくさん居た。
[生徒会長の相手、アイツだってよ]
[えー、マジぃ?見せしめじゃん]
[アイツ2年の頃から負けた事"は"無いんだろ?カワイソーに]
改めて思い返すとイライラする。

胸の中が暴力的で稚拙な言葉で埋め尽くされる。
ゴミをほうきで掃く様に胸を軽くたたく。

「"見せしめ"……ねぇ」

そう嗤っていたのは誰だったか、暇な時にでも勝負をふっかけて恥をかかせてやろうか?
試合には関係の無い思考で暗い感情を蚊帳の外に弾きながら、重たい扉を開け放つ。

今回の試合も【悪くて引き分け、良くて圧勝】だ。
これからの僕の経歴に"敗北"の二文字なんて必要ない、許されない、あってはならない。絶対に。
既に集まった観戦者からの視線が重い。
隙間から漏れ出てくる心の中の黒いモヤを深呼吸と共に吐き出す。


…が、新鮮な空気と共に吐き出した筈のモヤが湯水の如く湧き出てくる。

"見せしめ"に、叩き潰してあげるよ……会長サン?


その時、対面にある扉がゆっくりと開いていくのが見えた。
この時僕は1秒が1時間に感じられるとはこの事か、と全く無関係なことをぼんやりと考えていた。

第二十二話【クロロ(十夜花菜)】→←第十九話【地獄狼】



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ブラックアイ - 更新しました (2018年10月23日 18時) (レス) id: b64c02d5d7 (このIDを非表示/違反報告)
ブラックアイ - 更新します (2018年10月23日 17時) (レス) id: b64c02d5d7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新します!! (2018年10月23日 16時) (レス) id: 2baf58587d (このIDを非表示/違反報告)
よもぎまんじゅう(プロフ) - 更新しました (2018年10月22日 20時) (レス) id: 1b69b5d6d8 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎまんじゅう(プロフ) - 更新します (2018年10月22日 19時) (レス) id: 1b69b5d6d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪白 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php  
作成日時:2018年10月14日 21時

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