【2】キャプテン ページ5
うちのキャプテンは凄いんだぜ、と海図くんに諭されて私は半ば強引ながらサッカー部の朝練を見学することになった。
浪川「おい善峰!動きが遅いぞ!」
浪川「湾田!ナイスカットだ!」
浪川「海図!どんどん攻めやがれ!」
違う、さっきまでの浪川くんじゃない。………まるで別人だ。
ぶっきらぼうな姿の面影すら見当たらない、端から見てもキャプテンだとわかるような風格をたたえた浪川くんを、知らず知らずのうちに見つめていた。
凪沢「どう?うちのキャプテンは」
朝練終了後。凪沢くんが私にそう尋ねた。
唐沢「凄く意外だったな…本当にキャプテンなのかな、とか思ってたんだけど…………
全然、立派なキャプテンだね」
凪沢「だろ?」
得意気に笑う凪沢くんからは、浪川くんを尊敬していることが伺えた。
なんかいいな、この学校。
………なんて大袈裟かもしれないけど、そのくらい私はこれから始まる学校生活に期待を膨らませていた。
………が、また浪川くんと目があって、一瞬どきっとする。
浪川くんは、また私を睨んでいた。
唐沢「………浪川くん、私の事嫌いなのかな」
………タブーだとは思ったけど、ついつい口からこぼれてしまった。しかし凪沢くんは素っ気なく答えた。
凪沢「ああ、キャプテンは人見知りだから」
唐沢「……………人見知り?」
あの堂々として眩しいくらいにかっこいいサッカーをしていた浪川くんが、人見知り??
混乱する私の肩を、湾田くんが後ろから叩いた。
湾田「可愛いとこあるだろ?…ああ見えて実は涙もろいし後輩にはすげぇ優しいし」
…………可愛い、か。
湾田くんと凪沢くんは顔を見合わせて笑っていたけれど、私にはあまりピンと来なかった。
…………まだよくわからないけど、“キャプテン”としての浪川くんはとてもかっこよかったな。
胸がきゅん、とするのを感じた。
今日の海の男!
浪川「おい、そこのお前!…俺の彼女になれ!!」
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涙音(プロフ) - *文月*〜huduki〜さん» 返信遅くなってごめんなさい。こんな風に誉めていただいたのははじめてです。書いていて良かったです........!実は近々この続編を上げることになりました。もしよろしかったら読んでみてください。本作よりさらに良いものになるよう精一杯執筆いたします。 (2016年12月11日 23時) (レス) id: 541fead6be (このIDを非表示/違反報告)
*文月*〜huduki〜(プロフ) - 私は5年くらいこのサイトで色々な小説を読んできましたが、その中でこの作品がダントツで面白いです。もっと熱く語りたいのですが、文字数の上限をこえそうなのでこれくらいにしておきます。気持ちが伝わると嬉しいです。これからも素敵な作品を作っていってください。 (2016年11月14日 10時) (レス) id: bb022945e6 (このIDを非表示/違反報告)
涙音(プロフ) - 律華@Twitterはじめました。さん» コメントいただいて久しぶりに戻って参りました…とりあえず少しだけ更新しましたが、夏休みに完結できたらと思います!すっかり放置してました… (2015年7月4日 21時) (レス) id: 71e3a373e6 (このIDを非表示/違反報告)
律華@Twitterはじめました。(プロフ) - 更新頑張ってください!続き見たいです! (2015年7月4日 5時) (レス) id: 7cb333b288 (このIDを非表示/違反報告)
海王星(プロフ) - 久しぶりの更新だね笑 相変わらずの素晴らしい文才!期待に胸が弾むぜ( ´∀`)← (2014年8月9日 17時) (レス) id: c49ea11c01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涙音 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/enkorimatsue/
作成日時:2014年1月14日 1時