【10】二段ジンクス ページ14
唐沢「…………私、なんか変なこと言った?」
完全に固まってしまった凪沢くんたち。
気まずい空気をどうにかしようと口を開くと、凪沢くんが一息ついてから私の目をまっすぐ見た。
凪沢「…………本当に?」
唐沢「嘘なんかつかないよ」
今度は海図くんがごくりと唾を飲んだ。
海図「昨日、キャプテンと一緒に昼飯食べてただろ?」
唐沢「う、うん」
海図「そのとき座ってたベンチなんだけど…………
恋人ベンチっていって、ジンクスのあるベンチなんだ」
恋人…………ベンチ!?
唐沢「何それ!?浪川くんは何も言ってなかったよ!?」
しかも“恋人”ってつくくらいだし、絶対恋愛がらみのジンクスあるんでしょ………;;;
海図「でもキャプテンも知ってるはずだけどなぁ、恋人ベンチのジンクス」
唐沢「と、とにかく、どんなジンクスなのか教えてっ!!」
凪沢「びっくりしないでよ」
あたふたする私とは正反対に落ち着いている凪沢くん。
凪沢「あのベンチに座った二人は………
…………必ず不幸になる」
唐沢「…………………………え?」
凪沢「あのベンチに座ると、必ず不幸になるって言われてるんだ。
特に多いのが恋人同士の二人が別れるパターン。だから恋人ベンチ。」
唐沢「…………なーんだ、緊張して損しちゃった
なんかこう………ありがちな“恋がかなう”とか“結ばれる”とかそういうのかと思った」
海図「で、でも!不幸なことが起こるんだよ!?」
唐沢「私が心配してたのは、そういうジンクスで私と浪川くんの噂がたつこと。…………第一、ジンクスなんて私は信じないから」
私は立ち上がり、スカートを軽くはたく。
唐沢「もう用はない?………なら、行くね」
私は部室を後にした。
そういえば、浪川くんはどうして私と一緒にあのベンチに座ったんだろう?
…………わからない。
浪川くんって不思議な人。
#♪#♪#♪#♪#♪#♪#♪#♪#♪
湾田side
凪沢と海図がAを部室に連れ込むところを偶然見ていた俺。
“不幸になる”ね…………
そのジンクスも確かにあるけど、本当のジンクスはそうじゃない。
上級生の間でしか知られていないから、あいつらも知らなかったんだろうな。
浪川とAは、あのベンチで一緒に昼飯を食ってる。
そうすると……………
今日の海の男!
浪川「おい、そこのお前!…俺の彼女になれ!!」
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涙音(プロフ) - *文月*〜huduki〜さん» 返信遅くなってごめんなさい。こんな風に誉めていただいたのははじめてです。書いていて良かったです........!実は近々この続編を上げることになりました。もしよろしかったら読んでみてください。本作よりさらに良いものになるよう精一杯執筆いたします。 (2016年12月11日 23時) (レス) id: 541fead6be (このIDを非表示/違反報告)
*文月*〜huduki〜(プロフ) - 私は5年くらいこのサイトで色々な小説を読んできましたが、その中でこの作品がダントツで面白いです。もっと熱く語りたいのですが、文字数の上限をこえそうなのでこれくらいにしておきます。気持ちが伝わると嬉しいです。これからも素敵な作品を作っていってください。 (2016年11月14日 10時) (レス) id: bb022945e6 (このIDを非表示/違反報告)
涙音(プロフ) - 律華@Twitterはじめました。さん» コメントいただいて久しぶりに戻って参りました…とりあえず少しだけ更新しましたが、夏休みに完結できたらと思います!すっかり放置してました… (2015年7月4日 21時) (レス) id: 71e3a373e6 (このIDを非表示/違反報告)
律華@Twitterはじめました。(プロフ) - 更新頑張ってください!続き見たいです! (2015年7月4日 5時) (レス) id: 7cb333b288 (このIDを非表示/違反報告)
海王星(プロフ) - 久しぶりの更新だね笑 相変わらずの素晴らしい文才!期待に胸が弾むぜ( ´∀`)← (2014年8月9日 17時) (レス) id: c49ea11c01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涙音 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/enkorimatsue/
作成日時:2014年1月14日 1時