▽空色に笑顔 ページ41
『は、…』
⁇「あぁ…こんなにも元気の無い貴女を見たのは初めてです。一体どこの連中の所為だか」
『…すみません、？』
⁇「貴女が謝る必要はありませんよ。さっ、此方へ。という訳で失礼します、α国の…」
α「第二王子だ。…待て、お前は？」
見知らぬ男は私の手を引いてα国の言葉を聞くなり「失礼しますね第二王子サマ」なんて満面の笑みを浮かべた。誰だか知らぬ人間に助けられた私だったがまた変な事に巻き込まれたのだと最悪な気分がしてならなかった。
しかしα国の方も同様。
突然現れたこの男の登場に私との会話を邪魔された訳だ…原因はその辺かどうか分からないが第二王子は持っていたグラスが割れるのでは無いかというほどキツく手に力を込めて、顔を真っ赤にさせて私たちを睨んだ。
α「貴様ッ…俺を、誰だと、！」
第二王子はグラスを持っていた手を高く上にあげた。その動作があまりにも遅くゆっくりと私の瞳写って見えた。周囲の人間もその様子に気づいたらしく、見物するかの様に人集りを作っていく。しかしワイングラスの中の液体が飛び散ったりだとか、グラスの割れた破片が飛んできては洒落にならないので多少距離は取っている。
引かれていた手がぱっと離されて、今度は男に腰を引かれてそのまま彼の腕の中へと、守られる形になった。一瞬、視界が塞がれる前に第二王子の怒った顔が見えた。
⁇「失礼、」
知らぬ男のその一言でゆっくり見えていた映像がいきなりはっと元に戻り、グラスの割れる音だけが聞こえてくる。
α「覚えておけ‼」
「早よ帰れや」と頭上から小さく怒気の篭った声が聞こえて来た。彼の腕からぱっと離されて今度は「いきなりごめんなさい」と少しの笑い声。
第二王子の方が気になって少し彼の肩越しに覗いてみれば私たちに背を向けて大股で歩いて行くのが見えた。
床はあの赤紫の液体で染まっており、グラスの破片はかなり遠くまで飛び立っている。相当な勢いで床にグラスを叩きつけたのだろう。
⁇「行きましょう」
そう言って私の手を引いて名前も知らぬ彼は外を目指して歩き出した。
一体どこの誰なのか見た事も無い彼に感謝を伝えようにもその時間すら与えてはくれなかった。今はとにかく外へと急ぐ彼は、晴れた日の綺麗な空色の髪であった。
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しおりん(プロフ) - ふ〜ん！3ｺﾒ！続編おめでとうございます(о´∀`о)更新大変だと思います､頑張ってくださいね(*´▽｀*) (2020年6月23日 23時) (
レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
さわー - ふーん、2ｺﾒ!続編おめでとーございますっ！更新楽しみにしてますっ！(ですが無理はせず！) (2020年5月26日 15時) (レス) id: 14d9286bf4 (このIDを非表示/違反報告)
ピーたー - ふーん、1ｺﾒ！続編おめでとーございます！更新待ってます！ (2020年5月26日 12時) (レス) id: a37e444ba1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2020年5月24日 14時
