▽夜会だとかいうもの ページ28
『…何故です。この国の政治も流れも知らぬ私が行ったところで無駄の様に思いますが』
gr「あぁ。そうだな。ある程度はエミさんに頼む」
『…、』
gr「不満か？何もずっと居ろとは言わん。
後半は舞踏会みたいなモンだ。
そう一言付け足した彼が本気でそれを言っているのは目で見れば分かる事であった。ただ、それだけでは説得力に欠ける。何に出るとかではなく、何故自分なのかを知りたいだけ。
それを察したのか、はたまた偶然なのか。私から目を離して顎に当てていた手を離して腕を組んだ総統。
gr「俺の妻だと称して連れて行くのがいちばんだが…お前には悪いが、」
成る程。女避けという事か。女にも興味が無いとなると、一体この男は何を考えているのかいよいよわからなくなってくる。自分の好きなものにとことん首を突っ込みたがるのは良いかもしれないが、そろそろ痛い目を見るべきだ。
『なら、綺麗な方を呼んだ方が良いと思いますよ。教養のある女性ならつてくらいあるでしょう』
「勘違いするなよ」と寄り掛かった机から立ち上がった総統は鋭い目つきに変わる。
ぞっとする程の暗い色。その瞳の色からは考えられない様な真っ黒な何かが蠢く。
先程あった出来事が脳裏に過ぎってしまえば動けなくなるのも時間の問題だった。…これは、してやられた。さっきあったあの出来事が、ここまで足を引っ張る事になるとは。
彼を捕まえたのは誰だったか。
gr「お前だから頼んでるんだ、その辺の女に頼むくらいなら欠席で良い。ご縁が無かった、と。まぁ恐らく、その国との均衡は保たれんだろうがな」
『…この国がどうなろうと私は知りませんが』
gr「なら、また戦争で人が死ぬのみ」
頭の片隅であの時の兵士の顔がフラッシュバックする。家族のある門前で倒れていた兵士は確実に私を見ていて、向けるそれは悔み以外の何者でも無かった。
総統はそれを分かって言っているのか。
これも、彼の掌の内という事なのか。
私の今ある選択肢が今後この未来を変えていくと思うと吐き気がして仕方ない。
gr「無実な兵士を、殺すのか」
そう言われてしまっては、首を縦に振るしか無くなったじゃないか。
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しおりん(プロフ) - ふ〜ん！3ｺﾒ！続編おめでとうございます(о´∀`о)更新大変だと思います､頑張ってくださいね(*´▽｀*) (2020年6月23日 23時) (
レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
さわー - ふーん、2ｺﾒ!続編おめでとーございますっ！更新楽しみにしてますっ！(ですが無理はせず！) (2020年5月26日 15時) (レス) id: 14d9286bf4 (このIDを非表示/違反報告)
ピーたー - ふーん、1ｺﾒ！続編おめでとーございます！更新待ってます！ (2020年5月26日 12時) (レス) id: a37e444ba1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2020年5月24日 14時
