▽彼の疑問 ページ30
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ut「男やった…」
『複雑ですよ私も』
彼に男だと分からせるべく風呂に入った結果。ちゃんと男だと分かったらしく、がっくり肩を落として顔に暗い影を落とした鬱さんに同情するべしなのかどうか迷っている。
「女やなかった」と私を見てはため息を吐く。いい加減やめてくれないと、そろそろ心が折れそう。
服は今日買ったものがあったが、あれは仕事着であるし…一先ず先程着ていた服に着替えようとしたら鬱さんに慌てて止められた。
大した体格差も無いだろうから、と言われて彼の服を借りたのだが面白い程にシャツの袖が余る。
なんだ、やっぱ身長か。身長なのか。
ut「機嫌悪い？」
『悪く無いですよ』
ut「見かけは女の子みたいなのに…何で男やねん！」
『そう言われましてもねぇ…。女になる気はさらさら無いですよ』
ut「女の子やったら今のこの状況最高やったのに」
シャツ一枚じゃ流石に身体が冷えるからと外套を鬱さんに掛けられればいよいよ自分が女扱いされてるんじゃないかと心配になってきた。
ut「…ほんまに殺し屋なん？」
ふと、そんな言葉を掛けられる。
外套を掛けられた時に一瞬首に触れた細い彼の手は、風呂上りだというのにもう少しだけ冷たくなっていた。
彼を見上げてみれば目を細めた青が視界に入る。
たしかに、今の自分はきっと殺し屋なんて風には見えない。少なくとも殺し屋は、こんな態度で、気安く人と無防備で風呂に入る馬鹿では無い。
彼もそれを、疑問に思っているのだろう。
冗談半分で持ちかけた提案が、まさか本当に許可されるとは思っていなかったから。
『殺し屋ですよ。…今は、オフですからね』
仕事で身につけた自然な笑みを向ければ「そっか」と興味のない風な返事が聞こえてきた。
ut「ほんまは化け物みたいな動きするんやろ…」
『なんて事を…化け物じゃありませんよ』
ut「ふーん…身体冷める前に部屋戻ろか」
『そうですね』
とか言って、鬱さんの方はとっくに冷めてるんだろうな、なんて。
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野菜 - 文才ありｽﾞｷｨ!!!絵も凄いですねぇ… (2020年12月25日 22時) (
レス) id: 13d957e87a (このIDを非表示/違反報告)
世阿弥 - 更新頑張ってください！！応援してます。 (2020年12月22日 23時) (レス) id: 6e54989a60 (このIDを非表示/違反報告)
白玉色の赤えのぐ - あと更新がんばれください！！！！ (2020年11月11日 20時) (レス) id: 199b62a433 (このIDを非表示/違反報告)
白玉色の赤えのぐ - 貴方めっちゃ絵上手いですね！貴方めっちゃ絵上手いですね！貴方めっちゃ絵上手いですね！（大事な事なので三回言いました） (2020年11月11日 20時) (レス) id: 199b62a433 (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - 雫さんの文章表現力と画力が大好きです！すっごく、すっっっごく尊敬しています！陰ながらですが、これからもずっと応援しています！！あまり無理はなさらないように…！ (2020年11月8日 22時) (レス) id: 83f48e582b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2020年5月23日 15時
