コナン君だけお引き取り下さい。II【沖矢昴】

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どうしようかと考えていれば哀ちゃんの携帯に連絡が入る。どうやらコナン君からの様で、


何か作戦かな。



灰「…今から30秒後。犯人が近くを通る、だからそれまで静かに」

『……暗いところでも見えるやつ、だっけ
そんな様なのしてる』

光「暗視ゴーグルですね」



「なんで知って」と哀ちゃんに言われた。生憎、目だけは効くもんで。勿論全部見えている訳じゃ無いけれど何となく犯人のシルエットくらい分かる。

ゴーグルの知識はコナン君からの連絡だ。


病院で貰った小さな通信機が役立つとは…。

恐るべし江戸川コナン君。




私に例のキーン、というモスキート音は聞こえないからこればかりは子供達に任せるしかない。

犯人は暗視ゴーグルをしているから音が近づいたらライト付きのバッチを、犯人に向かって投げて目を眩ますらしい。


つまりは、一先ず歩美ちゃんの救出が先って事。




『歩美ちゃんを助けたら走ってこっちに飛び込んで来んで来てね、絶対受け止めてあげるんで』

灰「分かったわ」

『頼まれた』





そう笑ってバッチをいじる探偵団達。音が聞こえてくるのか耳を澄ませている。いいな、年取るとこういうのも聞こえなくなっちゃうのか…つらい。


そして、





だっと少年探偵団が駆けていく。




小さなライト、






灰「吉田さん！！こっち！！！」

歩「哀ちゃぁぁん！！」

『走れ！！！』




「ガキどもぉぉぉぉぉ！！！！」





ちょっと聞いてないって、



ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞッと銃を連射する犯人から庇う様に探偵団達の前に行く。一弾耳の脇掠った気がしたけど、気のせいだ。痛くない。



蘭「みんな！！！伏せて！！！！」

『待っ______』



哀ちゃんのはっと息を飲む声が妙に近く聞こえた。光を頼りに来たのか、蘭ちゃんが犯人に向かって駆けていくのが見える。


嘘じゃん。

無理無理そんな勇気無い、とか思ってる癖に、私も蘭ちゃんの後を追ってしまう。




灰「戻って！！！！」





戻りたいけど戻れねぇんだよくそぉ！なんて今年いちばんの悪態を突きながら銃を乱射する犯人の前へ__



ﾋﾞｭﾝｯと、


今度こそ耳元で風を切る音がした。


.

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