▽眠れぬ夜の静けさ ページ20
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辺りはもう真っ暗で、時刻は深夜二時を回っている。
ボロ小屋ではあるが幸いにも部屋が三部屋程あり、
いちばん奥の広い場所に総統がいる。
因みに私は今、
中央部屋であろう場所で一人静かに
窓から外を眺めている。
『はぁ…』
星が綺麗だ、
とでも言いながら夜空を見上げて今後の人生についてのんびり考えたかった。
が、現実そう上手くはいかないらしい。
今日は生憎の空模様、曇天。
星など見える筈も無く、
ただ時間が過ぎていく。
『…グルッペン、フューラー』
口にすればする程なんか強そうな名前だな(小並)
もし、我々国に戻ったとしてあの国は今どうなっているんだろうか。最後に見たのは戦場と化したボロい城の門。
服を赤に染めた兵士がピクリとも動かず横たわっていたのを今でも覚えている。
あの門兵の首にかけられた懐中時計より少し小さいそれに貼られた古い写真。
あれは多分、家族だ。
きっと仲の良い家庭だったんだろう。
最後までそれを握って戦っていたのだから。悔しそうに歯を食いしばって此方を睨むあの顔は消そうと思っても中々消えない。
______悪い事をしてしまったな
gr「…呼んだか？指揮官殿」
後ろから耳元に降ってきた声に思わず肩をびくりと揺らせば、「中々の反応だな」と総統の笑い声。
一ミリも感じられなかった気配。ぞわりと何かが背中を駆け巡って、行き場を無くした乾いたそれが代わりに掠れ声となって口から吐き出された。
『起きてた、のか』
gr「寝つけなくてな」
『…そうか』
すっと目を細めた総統は近くにあった机に寄りかかって腕を組んだ。
コイツ、こいつ。こいつは…、
どっから湧いてきたんだ、この男。
扉は閉めた筈だし__鍵なんてものはボロ小屋には無かった__開ければ音で気づけた筈。
それに、開けずとも微かな空気の揺れで気づけるのに
『…総統、もしかして』
ゆっくりと総統の方を見ていつもの笑みを貼り付ける。それが使い物になっているかは知らないが、そうでもしないと殺されそうだった。
私が次に発する言葉をただ黙って待っている総統。
『______わざと捕まったのか？』
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零(プロフ) - kouboukunさん» ありがとうございます！そう言って頂けると嬉しいです！多分は基本的に危なそうだな…という勝手な想像に共感してくれている様で何よりです…()これからも更新頑張ります！ (2020年5月24日 18時) (
レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
kouboukun(プロフ) - なんかこれを見て思いました・・・。総統の多分は危ない多分ですね(*´▽｀*)面白かったです！すごく夢中になって読める小説だし、奥が深くて、好きです！（突然の告白。）これからも更新頑張ってください！！ (2020年5月20日 16時) (レス) id: 6b5d77f9d6 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - seruharu217さん» syp君についてはまだ出て一話目ですので、情報量が少なかった様ですみません…次の話辺りからもう少し詳しくするつもりですので、その際分かるかと…！（質問に添えていなかったら申し訳無い）ありがとうございます！そう言って頂けると嬉しいです！頑張ります！ (2020年5月15日 23時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - もっちさん» ありがとうございます！今や社会はその話題で持ちきりですしね…無事元の暮らしが出来る事を祈るばかりです。今後も面白い作品に出来る様、更新頑張っていきます！ (2020年5月15日 23時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
seruharu217(プロフ) - あの、すみません。ショッピ君ってどんな立場ですか？二人いる感じなんですかね・・・？このお話は好きです！更新頑張ってください！ (2020年5月13日 17時) (レス) id: e769def405 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2020年3月15日 14時
