#此処へ帰る理由 ページ6
それにしても中也は明日から長期任務だっか？
私も長期任務で旅行してみたいが森さんに駄目だと云われてしまう。
そんなに頼りないのかなぁ私って。だけど、太宰さんには「そんな事ない」と云われる。
中也は欠伸をしながらため息を吐く。
中「この後糞青鯖と任務なンだよ」
『太宰さんと同じ事云ってる。実は仲良しでしょ』
中「あ"！？誰があんな野郎と！！！」
『五月蝿い』
中「手前ェが静かすぎるンだよ………本当に16歳なのか」
当たり前だ、と笑って見せればそれにつられたのか中也も笑い出す。
「報告があるので」と紙袋を持った立原君はこの場を去ってしまった。
そういえば長期任務ってなんだろ、ふとそんな考えが過って中也に聞いてみる。
中「長期って云っても二日だぞ？全然長期じゃねぇし……あと任務は殺しじゃなくて情報収集だ」
『ふぅん、つまんないね』
中「あのなぁ…はぁ、手前ェにも資料来たろ。ていうか、作戦参謀お前だろ」
『え"』と自分でも二度見するような声が出る。
だって知らない。聞いてない。
だけど何か書いた記憶が無い事も無い。
中「忘れたとか云わないよな」
後ろにあからさまなどす黒いオーラを放つ中也に一歩後退り。
覚えていない訳ではない、記憶にはっきりと残っていないだけ。忘れたって事は興味が無かったという事。
だから大して重要案件じゃ無かったんだろうな、それならまぁ大丈夫か。
無意識のうちにズボンのポケットに突っ込んでいた手を出してひらひらと振ってみせる。"覚えてる"って意味で。
『任務なんじゃ無いの？』
中「そうだな」
今日任務へ行ったらそのまま明日の任務に移行するらしい。大変そうだね、私は関係けどさ。
中也は少し考え事をしてから私を眼を合わせる。
中「帰ったらさっきの喫茶店行こうな」
そう優しく笑って返す。
マフィアに入りたての頃はこんな笑いしなかった癖に。知らなかった癖に。
此処へ帰ってくる理由付けみたいな云い方をして。
約束を付ければ私がマフィアから逃げないとでも思っているのだろうか。……そんな事しても意味無いし、中也がそんな頭善いとは思ってない。
『いいよ』
これだけで善い。
約束はしない。
私は約束が苦手だから。
＊
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★ayaka★(プロフ) - 面白かったです。すれ違いながらも互いを思ってるって良い話でした。 (2019年10月31日 1時) (
レス) id: 65fd904e63 (このIDを非表示/違反報告)
燐華(プロフ) - 作品、29件ほど表示されましたよ。私の方では正常ですね (2019年9月8日 8時) (レス) id: 7838562921 (このIDを非表示/違反報告)
鏡の国のアリス - 完結(？)おめでとうございます！私此の作品だいっすきです！応援してます！お疲れ様でした。 (2019年9月7日 16時) (レス) id: f685bf0ca1 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 赤珠さん» ご報告ありがとうございます！申し訳ない、ホムペ利用小説が未公開になってました……()公開しました！ (2019年9月3日 22時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - すみかさん» ご報告ありがとうございます。他の作品もですか……本当に嬉しい限りです、ありがとうございます！！！ (2019年9月3日 22時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2019年8月14日 16時
