#元幹部の呟き ページ30
ー太宰sideー
太「国木田くぅんー仕事終わったから次の仕事頂戴」
国「そこにあるだろ。とってけ」
太「はぁい」
国「………って、うん??太宰貴様今何と云った?」
隣で幻覚幻聴がなんだと騒ぐ国木田君余所目にパソコンを再起動する。作りかけていた報告書も、資料も、全てを片付けてファイルに移す。
今日はずっとこの繰り返し。不思議と今日は死にたい気持ちにならなかった。恒例行事となった川への飛び込みイベント、今日は中止だ。
敦「……太宰さん?」
芥川君と組んだら強いタックルになりそう、なんて気分で拾ってきた敦君に声を掛けられる。
ファイリングし続ける手を一旦止め、不安そうな彼と目を合わせた。どこまでも真っ直ぐな瞳に彼女の姿を思い出す。
敦「何かあったんですか?」
太「やだなぁ、私が仕事してるのそんなに不思議かい?」
敦「そうじゃなくて…何かあったんですか、目…今日太宰さんおかしいですよ」
太「私がおかしいなんて何時も事じゃない」
敦「それはそうです、け……何でも無いです」
失礼だよ敦君。
適当に彼との話に区切りをつけて窓の外をぼんやり眺める。そろそろだろうか。彼女が崩れ始めてしまうのは。
こめんね、Aちゃん。
織田作や安吾と同じ様に、私は君を置いて行ってしまった。それでも君はまだあちら側にいるんだろう?
早く此方へ来てはくれないかな?もう守る準備は出来てる。あわよくば此方へ引きずり込んでしまいたいとドロドロした感情を飲み込んで窓から視線を逸らす。
太「今日は空が晴れてるね」
見えてる?Aちゃん、織田作。
同じ空を見てるであろうAちゃんに話しかける。届く筈も無いその声は空を切って国木田君の叫び声に打ち消されてしまった。
Aちゃん、あとは私に任せて
大事な人を無くしたくない、と思ったのはこれが二回目だった。
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★ayaka★(プロフ) - 面白かったです。すれ違いながらも互いを思ってるって良い話でした。 (2019年10月31日 1時) (レス) id: 65fd904e63 (このIDを非表示/違反報告)
燐華(プロフ) - 作品、29件ほど表示されましたよ。私の方では正常ですね (2019年9月8日 8時) (レス) id: 7838562921 (このIDを非表示/違反報告)
鏡の国のアリス - 完結(?)おめでとうございます!私此の作品だいっすきです!応援してます!お疲れ様でした。 (2019年9月7日 16時) (レス) id: f685bf0ca1 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 赤珠さん» ご報告ありがとうございます!申し訳ない、ホムペ利用小説が未公開になってました……()公開しました! (2019年9月3日 22時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - すみかさん» ご報告ありがとうございます。他の作品もですか……本当に嬉しい限りです、ありがとうございます!!! (2019年9月3日 22時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零 | 作成日時:2019年8月14日 16時