#小さな青年の決意 ページ22
ー中原sideー
Aが傷だらけで帰ってきたと聞いたのは俺が首領に報告をし終わった時だった。
中「A!!!!」
太宰が失踪してから数日。マフィアは首領の立て直しによりなんとか元に戻りつつある。太宰の部下達等の太宰が指揮していた部隊の復活はまだもう少し時間がかかりそうだが。
一度来た道を戻って首領のいるであろう医務室駆け込んだ。首領が丁度ベッド脇の椅子に腰掛けるところだった。
驚いた様なAの顔。
目元には薄っすらと隈が見えた。
『嗚呼、中也』
中「嗚呼……じゃねェよ!!今回の任務はお前にしちゃ簡単だったンじゃねェのかよ!?」
『まぁね、けど大丈夫だよ』
中「それの何処が大丈夫なンだ……」
森「幸いにも、命に関わる傷は無いよ」
首領の一言で力が抜けた気がした。
織田作之助という奴の死亡により、Aは笑わなくなった。
否、正確には笑えなくなったんだろう。たしかに笑ってはいるのだが何時もの笑顔じゃない。眼の奥が真っ暗で何も写していなかった。
『森さん』
森「何だい?」
『情報と敵の数が違った』
それが何を意味しているのかは簡単な事だった。俺ははっと息を飲んだ。今Aが瞳に誰も写していないのも、わかった様な気がした。
"首領は鶴城Aを殺そうとしていた"
そこまで考えて思考を無理矢理停止させた。これ以上考えてはいけない気がして。
『追い出したいなら普通にしてください"首領"』
森さんから首領呼びになった事で、距離が一瞬遠くなった。
首領は顔色ひとつ変えずに笑顔で「そうだね」と笑う。誰が見ても異様なこの光景に寒気すらした。十代のする顔じゃないから。
『別に生きてるから許しますけど!』
そう云えばその場の空気がふっと変わった。これには首領も驚いた様で少し肩が揺れた。
_____嗚呼、Aは
森「はは、じゃぁお茶でもするかい?」
『今日は姐さんのお茶しか飲まないよ』
森「そろそろ許してほしいなぁ…………なんて冗談だからナイフをしまって!?」
_____此処にいる所為で笑えなくなったのか
なら、俺が此奴を此処から
"救ってやる"
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★ayaka★(プロフ) - 面白かったです。すれ違いながらも互いを思ってるって良い話でした。 (2019年10月31日 1時) (レス) id: 65fd904e63 (このIDを非表示/違反報告)
燐華(プロフ) - 作品、29件ほど表示されましたよ。私の方では正常ですね (2019年9月8日 8時) (レス) id: 7838562921 (このIDを非表示/違反報告)
鏡の国のアリス - 完結(?)おめでとうございます!私此の作品だいっすきです!応援してます!お疲れ様でした。 (2019年9月7日 16時) (レス) id: f685bf0ca1 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 赤珠さん» ご報告ありがとうございます!申し訳ない、ホムペ利用小説が未公開になってました……()公開しました! (2019年9月3日 22時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - すみかさん» ご報告ありがとうございます。他の作品もですか……本当に嬉しい限りです、ありがとうございます!!! (2019年9月3日 22時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零 | 作成日時:2019年8月14日 16時