▼悪夢の再来23__em side ページ24
em「……A」
『うん』
em「落ち着いた、？？」
『…うん』
見事に地雷をぶち抜いてしまったらしい俺は、結果的に彼女を泣かせた。ごめんと謝れば、エミさんは悪くないからといつもの調子で返され、挙句礼まで言われてしまった。
俺は何もしていない、どころか余計なことを言ってしまったというのに。
em「辛い時は泣きなさい。私がいつでも愚痴聞いてあげますから」
『…ははっ、エミさん大人やなぁ。先生みたい』
em「ええよ、先生でもなんでも」
『優しいね、おまえ』
優しい、のか。
まさか。
いやまさか。
俺はただ、Aの弱みに漬け込んで、どんな立場でもいいから彼女のそばにいられるだけの人間になろうとしている自己満足でしかない男だ。
たとえそれが極悪非道な人間でも、Aがその存在を必要とし、どんな形であれそばにいられるのならなんだっていいのだ。
今回が偶々優しい役だっただけで。
彼女が必要としているのが、優しい人だっただけで。
「うわ、エーミールが女泣かせとる」
人を冷やかす声が後ろから飛んできた。
ばっと後ろを向けばそこにはしたり顔する、
em「大先生…！？なんでこんなとこに…滅多に来ないやろこんなとこ」
ut「女の子のすすり泣く声に導かれて？
てまあ来たらAちゃんだった訳だけど」
『頼むから帰ってくれ』
ut「嫌やけど」
『ニッコリすんな帰れ…』
心底鬱陶し気に払われた彼の手は宙を彷徨って結局自身のポケットに戻っていった。Aは苦い顔をして涙を擦った後にずびずびと鼻をすすっていつも通りの顔に戻っていた。
なんだ、もう少し甘えてくれてもよかったのにと自分勝手な言葉が思い浮かぶ反面、彼女がそれで元気に成るならとこの光景を快く思っている自分もいる。
ut「気分転換に飲み行かへん？」
『エミさんは？』
em「すみません、この後教授と約束があって…」
ut「あっそうなん、んじゃまた今度。そん時は可愛い女でも呼んだるわー」
em「余計なお世話！！！」
この会話をよそに笑う彼女を見て自分も自然と笑みがもれた。
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ニノ(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。完結おめでとうございます！！最初幼馴染みの子が何かやからすんかなと思いながら更新を待っておりましたが、最後の最後で「あっ」となり同時に暖かい気持ちになりました。見事に釣られた気分です。素敵な小説を有難うございました！ (2022年12月10日 18時) (
レス) id: 36c64675ec (このIDを非表示/違反報告)
タラバババ - 完結おめでとうございます‼語彙力皆無なのでいいコメントできないですが、とにかく面白かったです‼‼ (2022年12月9日 22時) (レス) @page44 id: 3e7e23078b (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 月の光さん» 私自身が言うのも可笑しな話ですが、本当におめでとうございます（？） 最後まで応援していただいてありがとうございます！嬉しい限りです！なんと新作の方も…！？ではまたお会い出来るのを楽しみにしておりますね☺️ 本当にありがとうございました！ (2022年12月9日 18時) (レス) id: 7ee9bc58ce (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 瀬田さん» とても心温まる感想、本当にありがとうございます。作中は何かと焦らす場面が多いなぁと書いている私自身も感じておりました。無事完結できて良かったです…！最後まで読んでいただきありがとうございました☺️ (2022年12月9日 18時) (レス) id: 7ee9bc58ce (このIDを非表示/違反報告)
月の光 - おめでとうtn氏！！おめでとう夢主ちゃん！！陰ながら応援させてもらってました。完結おめでとうございます！！ 新作行ってきます！！ (2022年12月4日 19時) (レス) id: f3c01cad39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2022年8月19日 8時
