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特別 ページ1
花火大会から時間は経ち、9月になった。
今日は夏休み最後の櫻井先生との勉強会。
あの日から少しだけ
櫻井先生と私の距離感が変わった。
「バカっ、ここはこの公式使えって言っただろ？」
「なっ、バカってひどいです！」
「はぁ？同じミスもう5回もしてるからだろ！
次間違えたら宿題追加な。」
「鬼…。」
「ふざけんな、2枚追加決定。」
こんな感じで、やいのやいの言い合う仲になった。
最近わかったことがある。
櫻井先生は実は結構腹黒い。
「先生口が悪いです。」
「俺だってお前らと同じ人間なのー。
生徒の前ではちゃんと先生やってんだから
これくらい許せ。」
何が悪いんだ？っていうような顔をして言う。
「私だって生徒ですよ？」
「ハハッ、山田は特別。
他の生徒には俺のこと内緒な？」
「…。」
特別…
先生はずるい。
私が喜ぶようなことをサラッと言う。
こんなことで喜ぶ私も相当重症だと思うけど…
私しか知らない先生を知るたびに
もっと、もっと、一緒にいたいなんて
そう思う私は欲深いのかな。
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作者名：cherrys | 作成日時：2021年1月10日 23時
