真夏の夜は貴方を想う2【SS】 (ページ3)

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種を撒くページ3

「え、図星？」

「…。」

「ハハッ、沈黙は肯定と受け取るよ？」

「…。」

「え！うっそ！マジで！
　ついにAちゃんにも春が来たか！」

そう言ってる松本さんは何だか凄く嬉しそう。

「どんな子なの？
　前言ってたチョコの子じゃないの？」

「ちっ、違います！
　あれは何ていうか、親友？みたいな感じです。」

「あ、親友も出来てんじゃん！
　良かったね。」

二宮君のことを親友だと言った自分に驚いた。
だけど、何だか最近は二宮君といるのが凄く楽。

「で？どうして好きになったの？」

松本さんからの質問攻撃は止まらない。

(…どうして？櫻井先生のことを考える。)

「…。その人いつも私を助けてくれるんです。
　私のために筋肉痛になったり、怒ったり。」

「フフッ、筋肉痛？怒る？
　よく分かんないけど良い人そうだね。」

「はい…凄く良い人だと思います。
　気が付いたら好きになってました。」

「そっか、良かったね。
　Aちゃんの恋実ると良いね。」

松本さんが穏やかな笑みを浮かべながらそう言った。

実るかな…

まだ地面に種を撒いたばかりの私の想い。

どうか、どうか育ちますように。

今はただ、そう願った。