真夏の夜は貴方を想う2【SS】 (ページ14)

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お似合いな2人ページ14

「櫻井…先生。」

びっくりした。
会えるわけないと思ってた人が目の前にいる。

「先生、何してんの？1人で。」

二宮君がそう聞くと、

「ん？見回りだよ。
　毎年花火大会は教頭に駆り出されんの。」

暑いのに参ったよ
なんて先生は言ってる。

「…。」

ジーッと私の手を先生が見てる。

パシッーー

二宮君の手を解いてしまった。

「なんだ、山田
　二宮と付き合ってたんだ。」

ち、違う！
先生に勘違いされたくなくて否定しようとしたら、

「そうなんすよー、俺ら付き合ってるんです。
　見回り中の先生には悪いっすけど。」

二宮君がそう言った。

「なっ…！」

違うって言おうとしたら、

「…へぇ、そうだったんだ、
　お似合いじゃん2人とも、良かったな。」
　

オメデトウ

っ…。

そう言われた瞬間、
周りの賑やかな音が聞こえなくなった。

…ショックだった。
私が好きなのは櫻井先生なのに…。

私と先生の距離が一気に遠くなった気がした。

「危ないことすんなよ？
　花火終わったら真っ直ぐ帰れよー。」

そう言いながら先生は歩いて行った。

…。

私は何も考えられなかった。