真夏の夜は貴方を想う2【SS】 (ページ22)

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馬鹿ページ22

2人の間に沈黙が流れる。
雨も止んだから余計に静かだ。

「…。」

先生は何か考えてるようで、
眉間にしわをよせている。

「怒ってますか…？」

どうしても不安になって聞いてみると、

「…いや、怒ってないよ。
　ちょっと考えごとしてた。」
　

「何考えてたんですか？」

「ん？秘密。
　きっと知ったら俺のこと馬鹿だと思うよ。」

「…先生は馬鹿じゃないですよ。」
　

「ハハッ、そりゃどうも。
　まぁ山田よりは賢いけどね？」

先生はそう言って話をそらす。

ねぇ、どうして先生は耳が赤かったの？
どうして先生がドキドキしたの？

聞きたいことは沢山あった。
だけど、言葉が上手く出てこない。

そんなことを考えていると家に着いた。
すると、

「っ、A！」

櫻井先生が家に連絡してくれていたみたいで、
お母さんが家の下で待っていた。

「先生！うちの子がご迷惑をおかけしましたっ
　本当にありがとうございますっ」

そう言ってお母さんは頭を下げる。

「いえいえ、こちらこそ遅くなってすみません。
　娘さん、足怪我してるみたいなので家で
　見てあげてください。」

それじゃ、僕はここで。

そう言って先生は歩いていく。