. ページ22
全員の前で説明を続けるAを注意深く見ると、やっぱり少し痩せた気がする
隈は見えないけど、メイクで誤魔化してるんだろう
俺が何かしてもきっとAの助けにはなれない
今の相談相手は阿部くんで、俺じゃないんだ
心配するだけで何もできないことがこんなに苦しいのかと、もどかしさで叫び出したくなる
「…じゃあ冒頭からいきます」
その声掛けでJr.が一斉に移動する
俺も待機エリアに移動しようと、足を動かした時、一瞬だけAと目があった
人と人の隙間からだったから、気のせいかもしれないけど。
本当に一瞬だけで、移動する人に阻まれてすぐに見えなくなり、次に見えたときにはもう別の方向を向いていた
…ただ、その目が少しだけ寂しそうだと思ったのは、俺の願望じゃない、と思う
.
.
通し稽古が終わり、だんだんと稽古場の人が少なくなっていく
ちらっとスタッフが集まるところを見てみると、Aは真剣な顔で話し合いをしていた
…顔が青白い
明らかに長引いている話し合い
時間が経つにつれて色を失っていくその顔が、俺の不安を駆り立てる
渡辺「あれ、目黒居残り？」
『あ、はい』
渡辺「そっか、じゃあお疲れー」
メンバーも次々と帰っていき、メンバー内で残っているのは俺だけだ
フリの確認を軽くしながら、鏡越しにAを見る
ペットボトルに手を伸ばしては、飲まずに机に戻すのを頻繁に繰り返している
…やばいな。
多分、水分を取る余裕さえないんだろう
気力で話し合いには参加してるけど。
自分のカバンから財布を掴んで稽古場を出る
経口補水液…自販機にあったっけ…
水分も取れなくなってるときは、いつも経口補水液を無理やり飲ませていた
俺がいなかった２年間
自分で体調不良もなんとかしてたんだろうけど、目の前で弱っていくAを放っておくのは無理だ
.
結局、探しまくってコンビニで手に入れた経口補水液を片手に稽古場に戻る
だいぶ時間かかった…
部屋からスタッフが出てきているのを見て、話し合いが終わったことを知る
え、Aまさか1人で帰ってないよな
足早に稽古場に入って周りを見回すと、机で物をいっぱいに広げて何かを書いているAがいた
…こんな時にも休まないのは、ほんと変わってない
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7687人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
綺羅 - すっごく、面白いです。面白くてスラスラ読めちゃいます。 (6月20日 15時) (
レス) @page37 id: 2cb09aeba9 (このIDを非表示/違反報告)
mofurin0220 - 最高ですｗ (2023年3月4日 12時) (レス) id: cad6fed786 (このIDを非表示/違反報告)
やん(プロフ) - あやさん» あやさんー！！！ありがとうございます！！阿部ちゃんの動きを書くの私も楽しみです…！！あやさんの癒しを供給できるようにこれからも頑張ります！頑張れあやさん！！ (2020年4月17日 21時) (レス) id: d6435a702c (このIDを非表示/違反報告)
やん(プロフ) - も！さん» コメントありがとうございます！！すごく嬉しいです…！！更新頑張るのでぜひ楽しんでくださいー！ (2020年4月17日 21時) (レス) id: d6435a702c (このIDを非表示/違反報告)
やん(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます！！めちゃモチベ上がりました…！やっと気づけた2人のこれからをぜひ楽しんでくれたら嬉しいです…！！ (2020年4月17日 21時) (レス) id: d6435a702c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：やん
| 作成日時：2020年3月28日 19時
