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水川「廉くん人見知りがひどくてこの施設に来た時は、全然周りと馴染めなかったんです。その状況がどんどん彼を孤立させてしまって、特にこの施設の子たちは物心ついた時から施設で暮らしてるような親の顔も知らない子たちが多いですから、自分とは違うっていう考えが少なからず廉くんの中にあったかもしれません。」
水川さんは昔を懐かしむように話し始めた。
水川「でも、廉くんが孤立してる中でも大吾くんと流星くんだけは、毎日のように廉くんに話しかけて、仲良くなろうとしてくれて。
最初は無愛想だった廉くんも2人にだけは心を開くようになったんです。」
「そうだったんですか、、、」
水川「そうやって友達を作れた彼でも施設を出て行く前は、いつもどこか遠くを見ているようで、哀しい目をしていました。
あんな風に笑うことも少なかったし、見ていて痛々しく思えることもあったんです。
でも、あなたが廉くんを変えてくれたんですね。」
「え？」
水川「廉くんのあんなに清々しい表情、私たちは見たことありませんから。
作り笑いしかできなかった廉くんがあそこまで楽しそうにしてるのは初めてです。」
「そんな、、、私はそれほどのこと何も、、、」
水川「この先、彼が生きていく中で沢山の壁にぶつかると思います。他の人より辛い経験もしないといけないかもしれません。
どうか、廉くんのことを頼みます。」
期待に満ちた顔で水川さんにそう言われた
「私は言われなくてもそのつもりです。
私がどれだけ力になれるか分からないですけど、廉が幸せになれるように支えてあげたいって思ってます。」
私が自分の想いをそのように伝えると水川さんはさらに満足げな顔をした
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作者名：紫陽花
| 作成日時：2019年3月9日 15時
