Smilest 7

258 〜Fside 〜 ページ2

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俺の立場上、問題になる事もわかってて



聞いてるのがわかる





藤「心配しなくて大丈夫。
ちゃんと考えてるから」



裕「そうですか」





安堵した顔をみせる裕也くんに



自分が嫉妬した事が少し恥ずかしく思えてくる





彼は、ただただ、Aの幸せを願ってるひとりだと



確信したから





藤「俺もひとつ、いいかな」



裕「え、あっ、はい」



藤「今でも手を繋ぎたくなるくらい、
Aの事好きだった？」





あえて、過去形にしてみた、



ちょっと大人気ないとは思うけど。





裕「…はい。すみません…」





まっすぐに受けとめ、潔く謝る裕也くんは



スポーツ選手かなんかだったんだろうか





藤「や、怒ってるとかじゃなくて、笑」




裕「…なんていうか、Aは特別なんです。
俺の初恋だったんで。ってなに言ってんだろ…
恥ずかしいっすね」




藤「…初恋か、、いいね、笑」





ちょっと、羨ましく感じた。




俺の初恋は、安室さんなわけで



リアルな初恋とは程遠い





裕「今は、もちろん違いますよ？ 俺、奥さんもこどもも
いますし…」



藤「うん、Aに聞いてる、笑」



裕「…うわ、なんか、はずっ」



藤「ふははっ」





話せてよかったなって素直に思った




この人がAの元カレでよかったって



思える人だったから






藤「じゃ、行くね？」





帰ろうと、腰をあげると





裕「…あの…もうひとつだけ…」





すごく真剣な顔で、




裕「俺、心残りがあって」




って言うから、聞かないわけにはいかない。





藤「なに？」




裕「別れた原因でもあったんですけど…
すごく傷つけた事があって…」





聞けば、彼はラグビー部で



骨折した時に、すごく落ち込んで八つ当たりしたとか…





裕「Aは、ずっと笑ってて。
俺、こどもだったんです。
俺がどん底にいるのに、なんで笑ってんだよって
言っちゃって…
励まされてんのも気づかなかった。
……そしたら、A、笑わなくなっちゃって…」




裕「…めちゃめちゃ後悔しました。
Aがどんな気持ちで俺に笑顔むけてたのか、
あの時気づけなかった事…」




藤「それ、直接伝えてあげてよ」





首を振る彼




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