Smilest 5

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藤「なにも？笑」



私「笑ってるじゃん」





指でニヤケてる太輔の頬っぺを押すと
痛いよって笑ってる





私「もう、なあにってば！」





ぐりぐりと頬っぺを押し続けると





藤「あぶないでしょ？笑」





って私の手を掴み、指を絡めて



自分の膝の上におろす太輔





恋人繋ぎされた手に、



今度は私がニヤける





藤「Aはさ、ほんとお母さんに
よく似てるよな、笑」




私「うん、よく言われる。
あーわかった、それで笑ってたんだ」




藤「ふふっ、そう。
……で、お兄さんはお父さん似かな」




私「……ん？お兄ちゃん？」




藤「あ、……なんとなくそうかなって。笑」






最近よく、太輔はお兄ちゃんの話しをする





そのたびに思い出して、



今どこで、何してるんだろうって



会うこともない兄を気にしてしまう





もう、



思い出しても仕方ないのに





藤「また、その顔」



私「へ？」



藤「お兄さん、気になる？」





太輔が思い出させるからだよ





私「うん。でも……幸せならいいかな。
今何をしてても、好きな事して
幸せだなって思って生きててくれたら、
私もお母さんも、たぶん…お父さんも
それでいいんだと思う」





ずっと、そう言い聞かせて、封印してきた





藤「A」





手を解いて、


私の頭にポンと手をのせる太輔





私「なぁに？」



藤「会いにいこっか」



私「……」





太輔の手が頭にのったまま、首を振る





私「……いい。」




藤「どうして？」




私「お兄ちゃんは、会いたいと思ってないよ。
だから今まで連絡してこなかったんだし」




藤「……そんなことはないと思うよ？」






太輔は優しいからそんな風に



思ってくれるだけだよ





私「もうこの話し、おしまーい！
着いたよ？部屋入ろ？」




藤「……」





私の事で、そんな心配そうな顔は



してほしくない




だいたい、



連絡先なんてわからないんだから





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