Smilest

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「Aさん、これノルマね、笑」



私「うわ、今日は大量ですね〜」




朝、デパ地下の売り場に着いて早々
目の前のダンボールの量に驚く



メーカーさんの指示で、ダンボールから
美味しそうなチーズケーキを
おばちゃんと一緒に並べていく



ノルマっていってもこのメーカーさんは
残っても文句も言わないし、



いつもお土産までくれるから
私のお気に入りのメーカーさん



定期的にここのデパートで
販売するようになって、



派遣を通して、メーカーさんの方から
私に声をかけてくれるようになった





「もうさ、直で契約しない？」




開店直前、商品を並べ終わった頃、
メーカーの担当さんに聞かれた




私「いや、……でも」



「ま、考えといてよ。次来た時までに。」



私「……はい」



「じゃ、今日1日よろしくお願いします！
閉店際に戻ってきますね」




担当さんは、おばちゃんと私に
店を任せて他の店舗に行ってしまった




「Aちゃん、なんで直で契約しないの？
その方がお給料高いでしょ」




さっきの担当さんとの話しを
聞いていたおばちゃんが不思議そうに
私に聞いた




私「んー、実は、派遣会社、
彼が働いてる会社なんですよね」



「あら、そうなの？」



私「もともと、彼に、ここ紹介して
もらったから」



「そうなのね〜」



私「でも、相談してみようかな、
せっかくだし」




サトシの会社は、派遣会社



つきあったのも、きっかけは、
シンちゃんがサトシに頼んで
仕事を紹介してもらったのがきっかけ



それで、仲良くなってって感じ
なんだけど





そう、あんな風に……



……あんな風？



……サトシ？




数メートル先の通路を
女の子と腕を組んで歩いて行った後ろ姿



絶対サトシ




「Aちゃん？」




呆然と一方を見つめる私を
心配そうに声かけるおばちゃん




私「あ、すみません、
なんでもないです……」



「顔色悪いけど、大丈夫？」



私「全然大丈夫ですよ、笑」





派遣の担当の子かな？



きっと、そうだよね



ここにいる事は職業柄不思議な事じゃないし





……でもさ、腕とか組む？





私の頭の中は、不信感で埋めつくされた




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