Smilest

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シンちゃんは私に


ぶつかってこいって言った。




でも、


私がぶつかったのは


藤ヶ谷さんではなく、電信柱。





自転車ごと倒れた私に
駆け寄ってきてくれ、



手を差し伸べられる




藤「大丈夫？笑」



私「……なんとか、」




差し伸べられた手に、



籠から落ちた荷物を渡すと




藤「いや、先に立とうか、笑」




荷物を持ってる腕ごと
引っ張られ、たちあがらされた。



倒れた自転車も、直してくれ




藤「怪我ない？」



私「不死身ですから！」



藤「……ぶっ、笑」




笑いだす藤ヶ谷さん




藤「ちょ、ごめん、あははっ
笑っちゃだめだってわかってるんだけど……」




そんなにおかしかったかな



たしかに、電信柱に激突は
恥ずかしいけど……




私「あの……これ」




藤ヶ谷さんの荷物を渡す




藤「わざわざ持ってきてくれたんだ、笑
ありがとう」



私「明日、必要なんですよね？」



藤「ん？これ？」



私「うん、それ……」



藤「別に使わないけど、笑」




……




……は？




くそぅ……しんのすけ、、



はめたな……





私「……じゃあ、とりあえず渡せたので帰ります」





帰って、シンちゃんに文句言わなきゃ



タイミングとか、



ぶつかってこいとか、



やっぱり、無理だし





自転車に股がって、



走りだそうとしたら




藤「待って」




呼び止められた




私「はい？」




振り返ると、近づいてくる藤ヶ谷さん




藤「Aちゃんの連絡先
知りたいんだけど」



私「……え、ほんとの？」



藤「嘘とかあんの？笑」



私「ないけど……」



藤「携帯持ってる？」



私「……もう、30歳なんで
携帯くらい持ってます！」



藤「……そういう意味じゃなくて、笑。
今持ってたら登録するからかして？」



私「あ、そういう事？」





探しまくるけど、



何故か、ない。



いつも、ポケットに入れてるのに……




連絡先知れるとか



これこそ、チャンスだよね？





私「ない！ え、どうしよう……」



藤「なくした？」



私「いつもポケットに入れてるんだけど」



藤「番号言って？」



私「えっと、090……xxxx です」



藤「鳴らすよ？」




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