Smilest

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恋に堕ちるって事を



教えてくれたのは、藤ヶ谷さん





この恋は、叶わないけど



わたしは、これからちゃんと



恋愛するんだ





気分が軽くなった……



足取りもいつもより軽い





……あれ？




気分のせいじゃない



なんかいつもより、靴が軽い




……靴？





私「……えぇぇぇぇ！！」





なんじゃこれは……




まずい……




非常にまずい……





藤ヶ谷さんのスニーカー、履いてきちゃった……





改めて、自分の格好をみると





私「全身、藤ヶ谷太輔……」





クラクラしてきた……




Tシャツ、ジャージは本人が貸してくれたから



よしとしよう




でも、スニーカーは……





私「泥棒じゃん、わたし……」





なるほど



さっき玄関で呆然と私を見てたのは、





それ履いて帰るのかよ、てきな眼差し？





もう、なにやってんの私



このスニーカー……なかったら困るかな



でも、連絡先とか知らないし……





自分の携帯を見つめて、呆然とする





やってしまった事は仕方ない



また喫茶店くるって言ってたし



このTシャツとかと一緒に返せばいいよね






私「ただいま〜」



母「おかえり」




お店は閉店してる時間だから
直接自宅に帰ると、



母はキッチンで洗いものをしていた




私「誰かきてたの？」




お客さん用のコーヒーカップが
目に入った




母「Aの事待ってたのよ、
サトシくん。
けんかでもした？」



私「……うん、まぁ」



母「車に、荷物置いてったでしょ。
傘と、チーズケーキ、
あと、なんだかしらないけど
この袋」




あ！



わたし、CD買ったんだった！




私「届けてくれたんだ」



母「そうよ、Aが帰ってくるまで
待ってるって言ってたんだけど、
遅いから今帰ったところ。
後で連絡しておきなさいね
……って、何その格好」




そりゃあ、そうか



あきらかに、男物のTシャツ……




私「……知り合い？に、借りたの」




そっか、



お母さんに託そう



なんか、会いずらいし





私「ねぇ……」



母「あ、そうそう、大変なの」



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