Smilest

18 ページ18

.


私「気にしないでください。
私、歩いて帰れますから」



藤「じゃ、歩いて送るよ。
こんな時間だし」



私「いえいえ、ほんと大丈夫ですって」




こんな天下のアイドルが
歩いてる方が色々と危ないでしょ





送る


大丈夫



って、しばらくやり取りは続き……





藤「頑固だな、笑」



私「藤ヶ谷さんもね！笑」





そんなやりとりで、ふたりで笑った





藤「じゃ、とりあえずさ、
もうちょっと飲もっか。
本題もまだだしね」




でた



いったい本題ってなんなんだろう




私「……さっきから思ってたんですけど、
本題ってなんですか？」



藤「さあ、……なんでしょうか？笑」




ニヤリとした笑顔を残し、


立ち上がって、またキッチンに
行く藤ヶ谷さん




タタタッ




藤「……だからさ、笑」



私「あ！」




またついてきちゃった……




藤「あんまり可愛い事しないでよ、笑」



私「……」




可愛いって言った？



私に言ったよね？



どうしよ、



嬉しくて、勘違いしそう……





藤「どっちがいい？笑」



私「…………こっち」





やっぱり同じカクテルの瓶を
カチンとあわせて、乾杯する





藤「聞いていい？」



私「……なんですか？」



藤「さっきさ、……なんで泣いてたの？」





本題って、それか……



いっきに現実に戻された感じ




正直、こんな夢みたいな事がおきてて



すっかり忘れてたのに





私「……忘れました」





っていうか、忘れたい。



思い出したくなかった





藤「……言いたくない？」



私「藤ヶ谷さんに聞いてもらうような
話しじゃないから」



藤「そっか……俺はAちゃんの事
もっと知りたいんだけどな」



私「…………なんで？」





私の不幸話なんか聞いたって
なんにもならないじゃん



しかも、友達でもないし





藤「理由いる？
ただ、Aちゃんの事知りたいと
思った、それだけだよ」



私「……わたしの事なんて知っても、
いい事なんてありませんよ？笑」



藤「それでも知りたいって言ったら？」





……どういう意味なんだろう




.

19→←17

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す