Smilest

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藤「どうしたの？」



私「き、緊張しちゃって……」




マンションのエントランスで
足が進まなくなった私を
振り返る藤ヶ谷さん




藤「そっか、見ず知らずの男のうち
なんて嫌だよな」



私「……そうじゃなくて、
こんな素敵なマンション入った事ないから、
……ぶぁっくしょんっ！！」



藤「ふははっ、ほら早く着替えた方がいいよ
風邪ひいちゃうって」




私の腕をひっぱって、
エントランスを通過し、
エレベーターに乗りこんだ




藤「Aちゃんさ、
デパ地下で働いてるの？」



私「へ？」




なんで知ってるの？


え、どっかに書いてある？



キョロキョロと自分の服を
確認してみる




藤「いや、どこにも書いてないから、笑」




じゃあ、なんで？



藤ヶ谷さんを見上げる




藤「今日ね、渉が…あ、横尾渉ね……」

私「あー！チーズケーキ！！」



藤「そうそう。差し入れくれてさ、
あ、到着です。笑」




エレベーターを降り、目の前の部屋の
ドアを開けた




藤「それでね、Aちゃんの話し……
って、また止まるの？‪笑」




玄関に入る前に、足が止まった私を
振り返る藤ヶ谷さん




私「……こんな芸能人の家なんて
見た事ないから」



藤「ふははっ、もういいから入って？笑」




また腕を掴まれ、そっと引かれた




1歩踏み入れただけでわかる豪華さ




私「うわぁーー」



藤「そんなに目輝かせなくても、笑」



私「すごい、なにここ……お城？
しかもいい匂いするし！
あっ、このスニーカー私欲しかったやつー！
ほんものだっ！いいないいなぁ……
あっ！スリッパも可愛いー、
どれがいいかな、これにしよ！

…………あっ！勝手に上がっちゃった……」




ククッ



え、笑ってる？




目の前の藤ヶ谷さんが笑いを堪えて
私を見てる




やだ、恥ずかしい……




私「……すみません」



藤「ぶはっ、あ〜面白かった、笑
つっこみどころありすぎて……ぶっ、
やべ、とまんなくなっちゃった」




そんなに笑わなくても……




藤「あははっ、だってエレベーターとか
めっちゃ緊張してたのに、
部屋はあっさり上がるとか面白すぎるわ、
どうぞ？入って？笑」




リビングのドアを開けて、
促される





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