小さな幸せ 5

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私「ねぇ、ミカ、
ここ、近くない？バレるかなぁ」



ミ「え、言ってないの？」





内緒で応募してた、歌番組の観覧



いままで、当たった事なんてないから
今回も絶対外れると思ってた





私「うん、言ってない。
だってさ、番協行きたいって前に
言ったら、目の前にいられたら
腰ふりずれーから、来なくていいって」



ミ「あははっ、たしかに〜」



私「内緒にしといて、後でバラそうと
思ってたのに、笑」



ミ「すぐバレるよ、ここじゃ。
楽しみだなー、みっくんの驚く顔」



私「意外と気づかなかったりしてー」





なんて、呑気にしてたら、



出てきた瞬間バレたよね、



メンバー全員と目合って微笑まれたし、



みっくんに至っては
思いっきり、めっ！って顔してた





ミ「あはっ、やっぱりバレてる。
ウケる〜」



私「怒ってた、笑」





でも、他の人には気づかれない



私達だけの隠し事みたいで、



ちょっと嬉しい





他の出演者さん達の歌を存分に
楽しんで、



やっと出番がきた、キスマイに



すごくドキドキした



だって、こんな近くで新曲が聴けるなんて
初めてだから




「北山くんから、なんか報告が
あるって、聞いてるけど？」




司会のタモさんにふられてるみっくん




……今日はみっくんが曲紹介なんだ




みっくんがチラッとこっちを
見た気がした



ん？



報告？



曲の紹介じゃなくて？




北「そうなんですよ、笑
えー、私事ですが……」




……まさか、違うよね？




北「結婚しました」




┈┈┈キャー




悲鳴に近い、お客さんの歓声





……なにが起きた？




無意識にミカの手を握る




私「……なんて？」



ミ「ふふっ、発表しちゃったね」





……聞いてない



だって、タイミングみてって言ってたし、



ずっと先だって思ってた





しかも、これ……生放送だよ？





タ「えぇぇぇぇ？ほんとに〜？」



北「はい」




淡々と話すみっくんに、



わたしはただ、ミカの手を
握りしめたまま、呆然としてた




北「この場で発表するのは、
正直迷いましたが、ファンのみなさんに
黙ったままパフォーマンスってのが
俺にはできないなと思い、
報告させていただきました」

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