小さな幸せ 5

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……ないの



わけがわからなくて、



周りを見渡したけど、なくて




怪我させたうえに、指輪までなくして
しまって、もう言葉もでない




薮「後で、見に行こっか」




うんうんって頷くと




北「いいよ、また買ってやっから」



私「……だめなの」



北「だめじゃなくて」



私「あれがいいの」



北「おなじの買えば一緒だろ」



私「一緒じゃない」



薮「ちょ、こんなとこで喧嘩しないで、笑」



私「……喧嘩？……ひゃっ！？！？」



薮「え？」



私「みっくんが、喋ってるー！！！」



北「さっきから、喋ってるわ！」



私「だって、ドンってぶつかって……あれ？」



薮「……もしかして、やっと正気に
戻ってきた感じ？笑」



私「おばけじゃないよね、みっくん
ちゃんと生きてるよね？」



北「生きてるわ！」



私「みっくん！！！」





「あの……少し静かにしてもらえますか？」





北「……」



私「……」



薮「……すみません、笑」





何故か薮くんが謝って、



病院に着くと、みっくんは
処置室に運ばれた





薮「たいした事なさそうで、良かったね」



私「……はい」



薮「あいつの運動神経半端ないから」




初対面なのに、気さくに話して
くれて私の緊張もほぐれる




薮「誕生日の日に事故って
絶対忘れらんない記念日だね、笑」



私「そんな記念日いらない……」



薮「ははっ、そりゃそうか、笑」





処置が終わったみっくんは
病室に移動され、
私と薮くんも一緒に病室にはいった




北「1週間入院だってー、笑」




あっけらかんと言うみっくん




薮「まじ？」



北「まじ」



薮「俺、事務所に連絡してくるわ」



北「うん、悪いな」




薮くんが出てって、みっくんとふたり




1週間入院って、仕事とかに
絶対影響するし、



やっぱりどう考えても、
私が怪我すれば良かった



そんな後悔ばかり頭の中回ってる




北「なんでそんな離れたとこいんだよ」



私「……」




ドアのそばから、1歩も近づかない
私を不思議そうに見てる



だってわたし、


みっくんにそばにいる資格ない




北「A」




手招きしてるけど、



首を振る

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