君の嘘、僕の嘘 (ページ10)

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……絶対、場違い

玉森さんの家に自分がいるとか
夢みたいで、ふわふわする

部屋の中は、ものすごく
シンプルで

私のごちゃごちゃした部屋と
全然違う

宮「Aちゃん、そんな緊張しなくて
大丈夫だよ」

私「あ、はい」

玉「だから、おまえが言うな(笑)」

スー、ハーッ……

いい匂い

どこに居ても玉森さんの匂い

なにここ、天国？

繰り返し、息を吸ったり吐いたり
してたら

玉「臭い？笑」

不思議そうな顔で私を見る玉森さん

私「いや、いい匂いすぎて」

玉「ふははっ、なにそれ。
うちに来たらさ、まず挨拶して？
ネムタに」

私「ネムタ……どちらさまですか？」

なんか、飼ってるのかな

犬？猫？

玉「こちらさま(笑)」

か、観葉植物……

名前とかつけるんだ

変わってるなぁ、玉森さんって

でも、この家のルールに従うしかない

玉「可愛いでしょ？」

私「あ、はい」

ただの葉っぱすぎて、

可愛いとか、わかんないけど

玉「あ、可愛いと思ってないね？」

私「……お、思ってます」

玉「んはっ、じゃ、早く挨拶」

ただの葉っぱに頭をさげ、

私「こんばんは、はじめまして」

玉「……ぶっ、冗談だよ(笑)」

私「……」

……くそぅ、騙された。

なんて事させるんだ、この人は

玉「宮田、腹減ったから
早く作って？」

ほんと、自由

そんな言葉がよく似合う人

宮「あー、Aちゃんが作って
くれるってー」

私「キッチンお借りしていいですか？」

玉「マジで？いいよ勝手に使って」

包丁と、まな板とお鍋を出して
くれて

玉「後なんかいる？」

私「いえ、大丈夫です」

玉「ねー、これなに？」

めちゃめちゃ嫌そうな顔して
私が持ってきた野菜を
指さしてる

私「セロリです」

玉「……いれちゃだめ」

私「これ入れると美味しくなるんですよ」

玉「……やだ、だめ」

私「嫌いなんですか？」

玉「うわ、近づけないで、
匂いする」

手に持って玉森さんの前に
差し出したら、

匂いするだって。

可愛い