君の嘘、僕の嘘

25 ページ25

私「……柚葉」




玉ちゃんに、会いにきたんだ



そりゃそうだよ、つきあってるんだもん



同じ現場にいたら来るよね




柚「A！」



私「おつかれさま、打ち合わせ？」



柚「そうそう、ドラマの宣伝のやつ。
スタッフさんが、玉森くんいますよ
って教えてくれたから、来ちゃった」



私「そっか、もう終わると思うよ」




玉ちゃんに目を向けると、柚葉も
目を向け、かっこいいって呟き、
顔を赤くした




柚葉がこっそりと手を振ると、
ニコっとする玉ちゃん




チクッと胸の奥が痛かった




応援するって決めたはずなのに、
ふたりが一緒にいるとこは、見たくない




そして、罪悪感



友達の彼とキスした事の罪悪感





撮影が終わった玉ちゃんとみやっちが
私達の元へと近づいてきた




宮「あれ？柚葉さん？
玉と一緒にドラマやってるんだよね？
Aちゃん知り合いなの？」



柚「はい、前から仲良くて、
ね、A」



私「うん、お友達なの」



宮「そうなんだー！玉、人見知りだからさ、
ドラマ大丈夫？恋人の役でしょ？」



玉「宮田、やめろ」



柚「全然大丈夫ですよ、
それにね、つきあってますし」




宮「え、……誰が？」



私「玉ちゃんと柚葉は
本物の恋人同士だよ。
邪魔しちゃ悪いから、行こ、みやっち」





苦しかった



自分の口から言いたくなかった



でも私を応援してくれるって言った
みやっちに言わなきゃと思ったから




宮「え、ちょ、どういう事？」




私に引っぱられ、スタジオの外に
連れ出されたみやっちは、



ずっと、わかんないわかんないって
呟いてて




宮「俺、玉に聞いてないんだけど！」




って、怒ってる




私「みやっち、聞いてなかったの？」



宮「聞いてないよ、メンバー誰も
知らないよ、きっと。てかAちゃん
知ってたの？」



私「私は、……みやっちが
応援してくれるって言った日に
柚葉に聞いたの」



宮「……ちょっと、待って
Aちゃん、玉の事好きだよね？」



私「もう、いいの」



宮「……よくないよ、ぜんっぜん
よくない」

26→←24 〜Tside〜

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す