君の嘘、僕の嘘

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玉森さんに、キスをして
逃げた日から



数日経ち



何も変わらない日常に、



あれは、夢だったんじゃないかって
思えてきた



万が一、会ったら困ると
避けてきた、コンビニに久々に
仕事帰り寄ってみる



お目当ては、やっぱり
限定スイーツ





やった、最後のひとつ



そう思って、手を伸ばした時、





目の前から、スイーツが消えた




私「え？」




振り返ると、ニヤリ顔でスイーツを持つ
玉森さん……




うそ



会っちゃった





私「ひぃぃ」



玉「なんちゃう声出すんだよ」



私「……はっ、すみません」




慌てて、口を抑え、
バクバクいう心臓を落ち着かせる





そんな私を横目に、すっとレジに
スイーツを持っていき、お金を払ってる
玉森さん





……なにが起きてる？




横取り？




こないだは、私に譲ってくれたけど、
やっぱり食べたかった……とか？





てか、そんな事はこの際どうでもいい




夢だと思えてきていた、あのキスが
蘇ってきた




謝らなきゃ……




お会計が終わった玉森さんに
近づくと




玉「行くよ」




私に言ったよね？



行くよ？



一緒に帰るって事？



これは……



しばかれる？





玉森さんは、ゆっくりと私の前を
歩いてる



顔も見えないし、怒ってるのかも
わからない



どうしたらいいんだろう




……とりあえず、謝らなきゃ





私「あの！」




私の呼びかけに玉森さんが止まって
振り向く




私「……この前は、ごめんなさい」




いさぎよく、深深と頭を下げた




玉「なんの事？」



私「へ？」




この人……



忘れてる？




私「いや、……あの……キ……」



玉「ふふっ、冗談」




笑ってる？



怒ってない？




玉「来て」




スタスタと歩いて、自分のマンションに
入っていく




……来て？



来てって、玉森さんち？



なんで？




言われるがまま、着いてくと



エレベーターの中で




玉「あのさ」



私「……はい」



玉「何してくれてんの？」





……やっぱり、怒ってらっしゃる



そりゃそうだ



天下のアイドル様に



何してんのって、感じですよね……





私「ごめんなさい」

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