君の嘘、僕の嘘 (ページ1)

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「よろしく」

私「あ、どうぞ」

メイク台の前に腰を
おろして、携帯ゲームに
夢中になってるこの人は、

私の好きな人、

アイドルの玉森裕太さん

私はテレビ雑誌の会社で
タレントさんのメイクスタイリストを
している田崎A

「玉ちゃん、昨日夜更かししたでしょー、
Aちゃん、クマ上手く隠してあげて」

私「はーい！笑」

横から、笑いながら話しかけて
くるのは、一緒に働いている
尊敬する先輩、通称マチ姉

玉「絶対言われると思ったから
Aちゃんの方に座ったのに」

マ「そうじゃなくても、
いっつもAちゃんの方座るじゃん(笑)」

玉「え、そう？
まあ、なんとなく？」

私と鏡ごしに目を合わせて
ふわって笑って、

またいつものように
携帯ゲームを再開させる

ずるいな、その笑顔で

なんとなくって

でもそんな理由でも、私にメイクさせて
くれるなら

私はそれでいい

私「あ」

携帯から鏡に視線を
移す玉ちゃんと目が合う

玉「ん？」

私「それ、そっちの扉から行くと
めちゃくちゃ強いモンスターに
やられるよ」

玉「はー？
もっと早く言ってよ、うわ！まじだ！」

私の言った通り出てきたモンスターと
焦って戦ってる

玉「おりゃ！」

私「あっ、ちょっ、
そんな動いたらメイクしずらい」

玉「……あー、負けた」

シュンとしちゃった

私「ぶっ……」

その姿がなんとも可愛くて
吹き出す私

玉「笑うな、
もーAちゃんのせいだ」

私「絶対違う、玉ちゃんが
下手くそなだけ」

玉「Aちゃん、何レベ？」

私「64」

玉「強っ」

膨れてる玉ちゃんを
クスクス笑いながら、メイクしてると

～♪♪ ～♪♪♪

玉ちゃんの携帯が鳴る

玉「もしもし、……うん。
いいよ、終わったら行く」

この会話をする為に私が、
死ぬほどそのゲームをしてる事
なんて、

彼は知らない

でも、私は知ってるんだ

この人には、彼女がいるって

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