君の嘘、僕の嘘 (ページ7)

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柚葉とバイバイして、

家までの道のりの途中
コンビニに寄った。

私「美味しそう」

目の前の期間限定のスイーツに
手を伸ばし、

ひっこめる

さっき、デザート食べたんだった……

でも、限定って書いてあるし、、

もう一度手を伸ばしかけた時

「迷うの好きだね」

え？

この声……

そう思って振り返ると

ハットを被って、マスク姿の
玉森さんが笑ってた

私「なんで？」

玉「え、なんで？」

私「ここ、コンビニ……」

玉「俺がコンビニにいたら、おかしい？」

私「……おかしくないけど」

こんな住宅街のコンビニで
偶然会うとか、ある？

しかも、そんなお洒落なコート着てる人
このコンビニで見た事ないよ？

玉「買わないの？笑」

私「うっ……はい」

玉「じゃ、もーらい」

あぁ、それ最後の1個なのに……

目の前から、限定スイーツが
なくなった

私の手には、缶チューハイ

玉森さんの手には、ビールと
さっきのスイーツ

何故か玉森さんが私のちょっと後ろを
歩いてる

私「……あの」

気になって振り返る

私「どこ行くんですか？」

玉「え、うちに帰るんだけど」

私「……そう……ですよね」

なんでずっと方向が一緒なんだろう

玉「うち、どこ？」

私「もう少し先の角のアパートです」

玉「めっちゃ、近いな。
うち、そこだから」

玉森さんの指をさすそこには、
見慣れた大きなマンション

こんなとこに住みたいな
なんて憧れていた、大きなマンション

今まで会わなかった事が
嘘のような、この近さ

玉「迷わないで帰れる？笑」

私「……帰れます」

玉「じゃ、これ」

それは、さっきの限定スイーツ

差し出した玉森さんを見ると

早く取ってよって笑ってる

私「え、……あっ、じゃあ
お金払います！」

玉「いいよ、あげる
食べたかったんでしょ？」

受け取ると、
じゃあねって、その大きなマンションに
入っていった

どうしよう

嬉しい

このスイーツも

話しした事も

一緒に帰ってきた事も

家が近かった事も

全部嬉しい

……だめじゃん、柚葉の好きな人なのに