そして、あなたに……7

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不安そうに着いてくる
北山さんの彼女を楽屋に
案内し、




コーヒーをいれてあげていたら
匂いで胸がムカムカしてきた





……なにこれ



すっごい気持ち悪い




いつもなら、いい匂いと感じる
コーヒーの匂いが



今は不快で仕方ない





気持ち悪くて、しゃがみこむと



「どうかしましたか？」



声をかけられる




だめだ、耐えられない




大丈夫と伝え、匂いに耐えきれず
楽屋を出ると




北「どした？ 真っ青な顔して」




北山さんに見つかってしまった




私「どうもしませんよ？
彼女、今来て楽屋で待ってますよ」



北「おぅ、つーかマジ大丈夫か？」



私「大丈夫ですって、北山さん意外と
心配性(笑)」



北「意外とって言うな(笑)」




なんかあったら言えよーって
言いながら、楽屋に入って行った





少し休憩して、



時間がたてば、落ち着いてきて



なんだったんだろうってくらい



なんともない






矢「今日の撮影は以上でーす！
おつかれさまでしたー！」





私「矢野君、おつかれさま！
途中抜けちゃってごめんね！」



矢「ほんとに大丈夫？
病院行っといでよ？」



私「大丈夫、大丈夫！
もうなんともない！
今から、観てくるね、プレイボーイ(笑)」



矢「あ、行くんだ(笑)
妬くなよー？」



私「覚悟してくから大丈夫〜」



矢「ほんとかよ」





……





りんごちゃんと待ち合わせて
会場に入り、席に着く




私「結構近くない？」



り「ここの会場が狭いからね、
でもだいぶ後ろの方でしょ？」



私「まぁ(笑)」





始まった途端、



圧倒された





これが……たいちゃん？って



疑いたくなるほど





私と練習した、顔にお酒を
かけるシーンも



あのふざけてした練習とは
程遠く



色っぽいとしか
言いようがない




キスシーンもたくさんあるけど、
妬くという感情なんて



出てこない




だって、そこにいるのは
たいちゃんじゃない



そう思えるくらい



とにかくすごかった





り「大丈夫？(笑)」




涙が止まらない




なんでだろう……




たいちゃんの努力が実って
堂々とやりきってる姿に




どうしても涙が止まらない

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