そして、あなたに……7

256 ページ15

ドアに寄りかかって、
まっすぐこっちを見てる目




……聞かれた？




矢「玉森さん……」




スタスタとこっちに向かって
歩いてくる




玉「矢野ちゃんに頼まれてた
リスト」



矢「あ、わざわざありがとうございます」




紙を受けとる矢野くん





……どこから、聞かれてた？




玉「矢野ちゃん、ごめん、
外してくれる？」



矢「はい」




矢野くんが出て行って、
玉ちゃんとふたりきり



私の目の前に、腰をおろす玉ちゃん





玉「Aちゃん、ちゃんと
話しきかせて？」



私「……」





ほんとに、どこから聞いてたんだろう



こどもがいるって事は、



わかっちゃったのかな





玉「……わかった、じゃガヤ呼んでくるわ」



私「待って！」




それは、だめ




玉「今から、Mステだから、
みんないるんだよ」




たいちゃんもここにいるのか



聞かれたのが、玉ちゃんでよかった




私「お願い、まだ言わないで」




沈黙が流れ



一呼吸おいて、話を進める玉ちゃん




玉「……Aちゃん、
この子って言ってたけど、どの子？
お腹にいるって事？」




頷く




玉「そっか」




ごめんね、玉ちゃん




私「大丈夫、私がひとりで育てるから」




赤ちゃんができたなんて、
メンバーにとっても、未来を左右する
事になる




玉「なにが大丈夫？」



私「パパが誰かなんて、絶対誰にも
言わないから。だから……玉ちゃんも
たいちゃんも、そのままでいい」



玉「はぁ、バカじゃないの？」





ため息をつき、私をバカだと言い放つ




私だって、そんなのわかってる





玉「ガヤの気持ちとか、メンバーの気持ち、
無視かよ」



私「……」






ピコン♪



『どこにいる？』



たいちゃんからのメール




同じ局内にいる時は
必ず聞いてくる





返信に悩んでると



玉「ガヤ？」



鋭い玉ちゃん



私「うん、どこにいる？って」



玉「返事しない方が心配するよ」



私「そうだよね」




正直に、返信する



『第1会議室』




ピコン♪


『わかった』




……来ようとしてる

257→←255

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す