小さな幸せ 3

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北「A、運転できなく
なるから黙ってて(笑)」




なんだと？



助手席で、ずーっと笑ってる玉ちゃん




北「玉んち、こっちだっけ？」



玉「そうそう、そのまままっすぐ」




玉ちゃんがナビしながら、
車を走らせるみっくん




走ってる最中に携帯が鳴る




〜♪♪♪ 〜♪♪




北「A、携帯鳴ってない？」



私「あ、ほんとだ」




見れば、知らない番号




私「誰だろ？」



北「知らない番号？」



私「うん、出なくていいや」




〜♪♪ 〜♪♪♪



また、鳴り出す




玉「出た方がいいかもよ？ 貸して？」




言われるがまま渡したはいいけど、




ひゃあああ、私の携帯、触ってる！




玉「もしもーし」




顔くっつけてるー！！！




そんな事にあわあわしてると、




玉「Aちゃんち、やばいかも」




玉ちゃんの真剣な顔




私「へ？」




なんて言った？




玉「大家さんが、アパートの屋根飛んじゃったから
すぐ帰ってこれるかって」



私「うそ？！？！」




途端に青ざめる私




ボロアパートにも、程があるでしょ



屋根飛ぶってなに？



うち、この台風の中、部屋の中も雨降ってんの？





北「玉んち後回しな」



玉「いいよ、とりあえず行こ」




すぐに方向変換し、うちに向かってくれる





どんな事になっちゃってるんだろと、



わたしの頭の中は



部屋の中になにか濡れちゃいけないものは
ないかと、ぐるぐるしてる



いや、全部濡れちゃ困るんだけど




北「屋根飛んだって、家ん中ザーザー
雨降るわけじゃないと思うよ？」



私「そうなの？」



北「そうでしょ」





アパートの前では、雨の中大家さんが
カッパを着て待っててくれていた




私「遅くなっちゃって、すみません」



「いいのよ、こんなボロのうちが
悪いのよ、雨漏りしてるんじゃないかと
思って呼んだの、家の中確認してみて？」




見たとこは、普通に見えるから
そんなにたいした事ないんじゃないのかな




鍵をあけて、中に入る




私「玉ちゃん、ただいま」




……は！



また、言っちゃった！




玉「ん？おかえり(笑)」




後から、入ってきた玉ちゃんに
返された

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