小さな幸せ

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私「北山さん、私、
そろそろ帰りますね」



リビングにいるみっくんに
話かけると、



北「お腹いっぱい？」



箱を持ち上げて聞いてくる



大きさ、形からして、
ケーキ？



私「なんですか？」



北「Aちゃん好きかなと思って
さっき買ってきたの」




箱を覗くみっくんの向かいから
一緒に箱を覗く




私「あ！ケーキ！！！」



北「いってっ！！」




嬉しくて、更に覗きこんだら、
みっくんの頭と私の頭がごっちんこ




私「いったー！！！」




ふたりで頭を抱えて、悶絶する




北「うははははっ、もー、いってーよ！」



私「すみませんっ！ ちょっと興奮しすぎました！
すっごい可愛い〜！」




だって、箱の中に、
くまさんとうさぎさんの顔を型どった
ケーキが並んではいってる




北「こういうの好き？」



私「はい！形はどうでもいいですけど、
ケーキ好きです！」



北「どうでもいい？(笑)」



私「あ、いや、どうでもいいって
そういう事じゃなくて、あの……」




可愛いのはもちろん好きだけど、
ケーキには目がなくて、
どんな形してても好きって事なんだけど




北「やっぱり、Aちゃんにあげんの
やーめた！(笑)」



私「えー！！見せといてー？」



北「んははっ、うそうそ、
食べていーよ」



私「ほんとに、いいんですか？」



北「その為に買ってきたの」





はいって、フォークを渡され、


見てるみっくんと目が合う




私「北山さんは？食べないんですか？」



北「俺、あんま甘いの得意じゃないから」




じゃあ、なんでケーキなんか買って
きてくれたんだ？




北「この前の、誕生日の時のはさ、
うまくなかったんでしょ？」



私「へ？」



北「返事こなかったから」




あ、既読スルーみたいになっちゃったやつ！



もしかして、気にしてくれてたの？




私「あれは、……実は、食べるのが
もったいなくて、大切に保存しすぎて
賞味期限がだいぶいってしまって……」




北「なーんだ、食ってなかったのか(笑)
てっきり、うまくなくて言えなかったのかと
思ったわ」




私「違いますよ、
せっかくもらったのに、食べてないとか
言いずらいなぁって」

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