そして、あなたに……4

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矢「ひどいなぁ(笑)
ちゃんと覚えてくださいね？」



私「はーい」



佐「あ、ちょうどいいな、
明日ふたりで10万円ランド見てこい」




なにが、ちょうどいいんだ？




私「え、ふたり？」



佐「親睦深めてこいよ、
誰かしら行かなくちゃならないからさ、
ちょうどいいだろ」




親睦なんて深める必要ないんだけど




矢「片桐さんとふたりか、
楽しそう(笑)」



私「わたし、道わかんないんですけど」



佐「は？お前何回行ってるんだよ、
会社の車のナビに入ってるから。
矢野くん運転してやって？」



矢「わかりました」




ふたりか……


仕事だから仕方ないけどさ、



わたしの目の前に、しっぶーい顔してる人が
いるんだよなぁ……




佐「せっかくだから、ゆっくり
デートでもしてこいよ(笑)」




だから、その言い方ね！



若い男女がふたりで出かける事を
デートって言っちゃう、おじさんの発想
ほんとやめて




矢「じゃあ、美味しいものでも
食べて来ましょう、経費で(笑)」




のらなくていいから……


カツ丼食べてなよ……




私「ははっ……」




もう笑うしかない




その後も打ち合わせは続き、
話題が変わった事にほっとしたけど、





玉「ガヤ、顔(笑)」



藤「……あ？」




不機嫌そうなたいちゃんの顔は
見ないようにした





打ち合わせが終わって、
次の仕事があるメンバーは
いなくなり、



残ったメンバーは雑談してる中
片付けをしてると



藤「もう帰れんの？」



たいちゃんが
こっそり寄ってきた



……よかった、不機嫌じゃない



私「うん、終わり」



藤「俺も終わり。飯食って帰る？」



私「え、いいの？」



藤「なにがダメなの？(笑)
デートしようよ、明日は違う人と
するみたいだけど」




うっ！ ……やっぱり根に持ってる




私「デートじゃないもん」



藤「わかってますー」




たいちゃんの手がわたしの頭に
乗ろうとした瞬間




矢「Aちゃん」




急に寄ってきた矢野くんにびっくりして



手をひっこめるたいちゃん




藤「後でね」




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