そして、あなたに……4

159 ページ39

そこにいたのは、



変装した山P



私と目があってニッコリ笑うと、
隣りに座って、私の手から
智恵理さんの携帯を取り上げる




山「すいません、ウィスキーロックで」




店員さんに注文を済ませて、
居座る気満々……




なんでここに居るんだろう




智「ちょっと、やめてよ」




さらっと、携帯の写真を消去する山Pに
智恵理さんが怒ってる




山「こっちのセリフだわ、
こんなんで、Aちゃん脅してどうすんだよ、
他にもあんだろ？出せよ」



智「……」




なんにも言わない智恵理さんに
イライラした様子をみせる山P



私「……ともくん、なんでここにいるの？」



山「テレ朝の前で見かけたの、
こいつが人目気にしないで、連れてくのは
ここかなって思って来たら、ビンゴ」



私「そっか」




山「早く出せ、おまえがやりそうな事くらい
こっちはわかってんだよ」




わたしに答えてくれてるのとは、
対象的なキツイ言い方



智「……」



山「結局はさ、面白くないだけだろ？
たいして、騒ぎも大きくならないし、
藤ヶ谷には相手にされないし」



智「……」




智恵理さんは、終始無言




山「俺に好きな子ができたなんて
自分が振られたみたいで面白くない。
相手は、自分の元彼の彼女。
二人揃って、自分よりAちゃんの事が
好きだなんて、そりゃあ面白くないよな」



智「……」



山「別に、藤ヶ谷の事好きなわけじゃないだろ」



智「好きだよ、好きな人に振り向いて
もらおうとして、何が悪いの？」



山「汚ねーだろ、やり方が、
週刊誌にネタ売ったって
なんになるんだよ、そんなんで
ふたりの仲が裂けるとでも思ったか？」




あれ？



あの週刊誌にのった写真は智恵理さんが
自分で売った感じになってるけど？




智「そうよ、信頼がなくなれば、
壊すのなんて簡単でしょ」




あれ？



認めてる




山「で、今度は、俺との写真売って
どうするつもりだった？
世間にAちゃん晒して、
困らせようって？」



智「……」



山「無駄だって、気づかない？」



智「……」




まったく出る幕がない私は、



とりあえず目の前のお酒を飲んでいるだけ

160→←158

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す