そして、あなたに……

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いや、もう、この距離に
いるだけで無理なんだけど……



それに、チューって、
好きな人同士がするものだよ？




ブンブン首を振る




藤「……ダメなの？」




隣りから顔を覗きこむから、
顔を両手で隠す




私「うん、だめ、
だって、チューは好きな人同士が
するものだよ？」




藤「じゃ、問題ないじゃん」




話し聞いてました？




好きな人同士って言ったんだけど……



同士だよ？




わたし、好きとか言ってないし、



言われてもない……





藤「Aちゃん、俺の事好きじゃない？」




……だいぶ、好きですけど




私「これ以上は好きになっちゃだめって
……思ってる」



藤「……わかった」




わかった？



なにがわかった？





思わず、顔から手を外すと、
覗きこんでる藤ヶ谷さんと目が合う




目が合った瞬間、
顔が近づいてきて




本日2回目の、キスをされた……





藤「目瞑ってよ(笑)」



私「……話し聞いてました？」



藤「聞いてたよ？」



私「じゃあ、チューしないで」



藤「なんでよ(笑)」



私「これ以上好きになりたくないって
言った！」



藤「って事は、俺の事好きでしょ？
俺も好き、
なんか問題ある？」




ん？



なんか、さらっと……好きって言った？




私「なんて言った？」



藤「聞いてなかったの？(笑)」




じーっと、藤ヶ谷さんを見ると、



見つめ返される



ふっと笑う藤ヶ谷さん




藤「ほんと、伝わってない(笑)」



私「……」



藤「好きだよ、Aちゃん」



私「……うそ……」




こんな人が、私を好き？



そんな事、ある？




藤「うそじゃないよ、俺こんな仕事してるから
不安にさせちゃう事もあると思うけど、
Aちゃんの事、大切にしたいと
思ってる、もっとAちゃんの事知りたいし、
俺の事も知ってほしい、
お付き合いしてもらえませんか？」




……




まっすぐ伝えてくれて、



固まる私




藤「返事は？(笑)」



私「……嬉しすぎる……」



藤「違う(笑)返事は？」



「ワン！」




尻尾を振って見てるケンに、

ふたりで、目を合わせて吹き出す

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