そして、あなたに……

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私「お口に合うか
わかりませんけど……どうぞ」



「ワン！」



私「こら、ケンのじゃないの！」



「ワン！」



くれくれアピールがすごい




藤「ふふっ、苺好きなの？」



私「そうみたい、こないだあげたら、
はまっちゃったの、
も〜、ケン、降りてこっちで食べて」




膝の上なんかで食べたら
藤ヶ谷さんの高級ジーンズが
大変な事になる




ケンを下ろして、ケン専用の
お皿に乗せてあげるとすごい勢いで
食べてる




藤「うちの苺も食わせてあげたいな」



私「だめ、藤ヶ谷さんちの苺食べたら
舌が肥えちゃって、うちの食べなくなる(笑)」



藤「一緒だよ(笑)Aちゃん食べないの？
はい、」



フォークに刺した苺を



ケンの隣りでしゃがみこんでる私に向ける




……それは、アーンってやつ？


あの、よく見るイチャイチャシーンの


アーンってやつ？




ぱくっ！



藤「おいしい？」



私「うん、あま〜い！おいしぃ！」



藤「うん、うまいね」




……あ、


また、間接キス……




私「……」




こんな事ばっかり考えちゃって、


おかしいのかな……




藤「苺と同じくらい赤くなっちゃってるけど？(笑)」



私「……」




自分でもわかる、顔がすごい熱いから




藤「Aちゃん」




顔をあげると、ソファーの隣りを
ポンポンって叩く



呼んでる



でもそこに座るのは……近すぎるんだけど



うちのソファーは、小さめの
2人掛けだから




藤「ちょっと、話ししようか」




言われるがまま、座ったはいいけど



やっぱり近い



さっきのタクシーと同じくらい




藤「Aちゃんさ、簡単に男の人家に
あげちゃだめだよ？
犬に会いたいなんて、口実だから」




思わず笑ってしまう




私「……それ、藤ヶ谷さんが言うの？(笑)」



藤「俺はいいの」



私「なにそれ(笑)」



藤「なんでも、俺以外は、だめ」



私「……じゃあ、」




……言ってもいいかな……




藤「ん？なに？」



私「他の子のうちに、犬見たいって
言って行かないでね？」



藤「ふふっ、うん、わかった」




わたしのほっぺに手をあてて
見つめてくるから



心臓が、バクバクいってる




藤「キスしていい？」

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