そして、あなたに……

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ここに来るかもって
思ったら、手が震えて
シールが思うように貼れない



何しに来るの？



いや、来ないの？



会いたいってなに？





コンコンッ！


ドアのノックの音に固まる




来た……？



ドアを見つめる……




ガチャ！


遠慮がちに開くドア




藤「来ちゃった(笑)」




顔を覗かす藤ヶ谷さん



来ちゃった？



そんな女子みたいなセリフ言われて
どうしたらいいの？




私「い、いらっしゃいませ？」



藤「よかった、ひとりで」




いやいやいや、ぜんっぜん
よくありませんけど！




わたしの前にある大量の宝くじに
びっくりしてる藤ヶ谷さん



藤「すごいね、これ(笑)
俺らのやつ？」



私「うん」



藤「ありがとね、いつも」



私「うん」




……




で？何しに来たの？




私「あの、……これから生放送ですよね？」



藤「うん、そう」



私「こんなとこに、いていいんですか？」



藤「リハ終わって、時間できたから」




テーブルを挟んで、わたしの目の前に
座り出す





ぐぅぅー




目が合うと、吹き出す藤ヶ谷さん




藤「ぶはっ(笑)」



私「き、聞こえた？」



藤「かなりね(笑)わざと？」



私「んなわけない！」




また、聞かれてしまった……



穴があったら、はいりたいんですけど




藤「ふふっ、この距離で聞こえるって
そうとうよ？お腹空いてたの？(笑)」



私「……そういえば、なんも食べてないや」



藤「嘘でしょ？」




こんな仕事してると、ご飯抜きなんて
しょっちゅう



今にはじまった事ではない




私「慣れてるから」



藤「だめだよ、ちゃんと食べなきゃ」



私「うん、後で食べる」



藤「後で、行くんでしょ？」




行く？




私「どこに？」



藤「あれ？さっきなんか誘われたけど」



私「行くのは、藤ヶ谷さんでしょ？」



藤「ん？Aちゃん行かないの？」



私「行きませんよ？」



藤「……おかしいな、Aちゃんも行くって
言うからＯＫしたんだけど」




そうなの？



あみちゃんの作戦？



応援してって、……そういう事？

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