Stand by me 〜after story〜4

＊131〜Fside〜 ページ11

俺は夢でも見てたのかな



Aがいるのが、あたりまえで



ただただ幸せだった夢




藤「ただいま」



誰もいない部屋に呟く



やっぱり返事は返ってこない




Aと出会う前は、ひとりなんて
全然平気だったはずなのに……




いまは、寂しくて仕方ない





大阪入りしたコンサート前日



リハが終わると



ドカッ！っと俺の隣りに腰を降ろす北山



やっぱり歌えなかった俺に
きっとこいつは言いにきたんだろう



曲を変更しようって




藤「変えない、本番は歌うから」



北「あ？わかってるわ！んなもん」




あれ？違うの？




北「会ってきた」



藤「え？」



北「A」




あれから、メンバーは俺に気をつかって、
Aの話しはしてこなかった




藤「……そっか、元気だった？」



北「そんなん、わかんだろ？」



藤「……」



北「あいつはさ、おまえの事しか
頭にねーよ」




だったら、なんで離れてくんだよ




北「こどもだと」



藤「ん？」



北「別れた理由」



藤「こどもってなに？」



北「できねーってわかったんだよ」






「太輔、こども欲しい？」



「そりゃあ欲しいよ」





……泣いてた……



嬉し涙って、嘘ついて




そう、Aが体調崩して



なんか隠し事してるって感じた時くらいの時期





……なんで……



……なんで言わねーんだよ




北「おまえを幸せにしてあげれるのは、
わたしじゃないって」




……勝手に決めつけんなよ




俺は、Aがいれば、こどもなんか
いらねーよ




北「いつか、結婚した事、後悔するんじゃないかって、
結局さ、おまえの事しか考えてねーの(笑)」




……




なんだよそれ……





北「迎えにいけよ？」




落胆して頭を抱えた俺の肩を
ポンポンって叩いて部屋を出てく北山




……A




最後に言った、おまえのワガママは




こどもができないってわかってて
言ったのか……

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