君のいる世界〜short story〜2

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私「……いないって言って」



玉「いやいやいや、無理でしょ(笑)
バレバレだし」




ダッシュで、トイレに駆け込む


玉ちゃんちのトイレは、私の逃げ場所




玉「あーーー！
忘れてたー！！」





ガチャ！



藤「いるっしょ？」



玉「……居ますよ、いつものところに(笑)」



藤「やっぱりね」




外の会話は丸聞こえ



トイレの中で聞き耳をたてる




藤「A、帰るよ？」




たいちゃんの甘い声、久々に聞いたかも



いつも、こども達には激甘モードだけど
わたしに向けては、最近ない



その甘い声に、つられそうに
なるけど……ぐっと我慢




私「帰らない」



玉「ふははっ、ほんと変わんないなぁ
まぁ、ごゆっくりどうぞ(笑)」




たしかにこのやりとりは、懐かしい




足音が、ひとつ聞こえる


玉ちゃんが、リビングに戻ったっぽい





藤「A、出ておいで？」



私「……あんなの、あるなら言っといてよ」



藤「ごめんって」



私「たいちゃん嫌い」




シーン




藤「……わかった」




え、わかった？



早くない？




前だったら、そんな事言わないで とか
Aが嫌いでも俺は好きだよ とか



言ってくれてた……





スタスタと、トイレの前から
いなくなるたいちゃん




……行っちゃった




途端に寂しくなる




私「……う〜っ」




ばかみたい



こうやって、拗ねたら、



たいちゃんは甘やかしてくれて
いっぱいギューってしてくれて



簡単に私の機嫌なんか治しちゃうんだって



そう思ってた




……嫌われちゃったのかな




あんな仕事の事で、やきもちやく
奥さんなんて、嫌になっちゃったかな




ボロボロと涙が溢れてくる

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