小さな幸せ 2

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玉「どこいく？」



北「台風すごいからなぁ、
近場にすっか、Aは？
なんか食いたいもんある？」



私「へ？」



北「へ、じゃねーよ(笑)飯何がいい？」




待って待って



玉ちゃんとご飯とか、無理なんですけど！




私「……私も行くの？」



北「あたりまえだろ、腹減ってない？」



私「減ってるけど」




今、ここにいる空間だけで精一杯なのに、
一緒にご飯だなんて、大丈夫かな




玉「あ、俺寿司食いたい」



北「寿司か〜、俺昨日死ぬほど食ったんだけど」



玉「俺食ってない、Aちゃん、
たっかーいお寿司食べたくない？」




え、そんなの食べたいに決まってる




私「食べたい！
回るお寿司しか食べた事ない」



玉「よしきた！行こ行こ！
ミツがゴチしてくれるって！」



私「やった！」




思わず釣られる私に




北「……はいはい、寿司ね(笑)」




苦笑いで車を走らせるみっくん




地下の駐車場を出ると、
ものすごい雨と風




玉「うわ、やばくない？風」



北「やべーな」



玉「ミツがあそこにいてくれて良かったよ
タクシー全然つかまんなくてさ」



北「この台風じゃつかまんねーわ」




なるほど、だから玉ちゃんが
乗ってたのか




玉「Aちゃんが今日来てくれたから、
助かっちゃった、ありがとね〜」




後ろをちょこっと見て、微笑まれる




ドキッ！



……お願いだから、振り返らないでくれ




私「え、あ、いえ」



北「こら、俺にお礼を言え！」



玉「ミツはいいんだよ」



北「なんでだよ(笑)」




なんか、……このふたりが兄弟みたいに
みえてきた





お店に着くと、この天気だからか、
高級な店だからかはわからないけど、



ほかにお客さんもいなくて、貸し切り状態



私の隣りにみっくん、その隣りに玉ちゃん



カウンター席で良かったかも、



これなら顔が見えなくて、普通でいられそう




というか、値段も書いてないお寿司屋さんとか
来た事なくて、そっちのが気になる





……どうやって頼むのが正解？




北「嫌いなものある？」



私「ううん、ない」




慣れてる様子で、大将と会話しながら、
スマートに私に聞いてくれる



みっくんにおまかせするのが
正解なんだろう

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