小さな幸せ 2

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手をひかれて、部屋の中に
入った瞬間



靴を脱ごうとしたみっくんに
後ろから飛びつくと




北「あっぶねっ(笑) どした？」




よろけながら、振り向いて、
ぎゅってしてくれる




私「離れたくないの」



北「ふふっ、甘えんぼちゃんですか？」



私「違うけど」




なんか、甘えんぼとか言われんのは、嫌




北「認めないんかい(笑)」



私「ただくっついてたいだけ」



北「そういうのを、世の中では甘えんぼって……」



私「違うのー！」



北「わーかったよ(笑)
とりあえず、靴脱ごうか」




……





手をひかれ、リビングまで連れていかれると、



テーブルに、沢山資料みたいなのが
散乱している




私「仕事してたの？」



北「ちょっとだけね」




仕事してたのに、わざわざ下まで
降りてきてくれてたんだ



これ以上邪魔しちゃいけないと、
片そうとするみっくんを止める




私「いいよ？続けて」



北「今はいい、Aのが大事」




あっさりとそんな嬉しい事を言ってのけ、
ささっと、資料を片しだす




こんな事、そんなさらっと言えちゃう人



……藤ヶ谷さんくらいかと思った





ソファーに深く腰をかけ、




北「どっちがいい？」




自分の足の間と、隣りを指さしてる




……そんなの、決まってるじゃん




迷わずみっくんの足の間に
腰をおろすと、お腹に腕が回ってきて、
ぎゅーっと抱きしめられた




北「で？」



後ろから、覗きこんでくる



私「ん？」



北「いっぱい泣いたんでしょ？」



私「わかる？」



北「わかるだろー、化粧とれてるし(笑)」



私「え、嘘？！？！」




慌てて顔を両手で隠すと




北「いいから(笑)」




手を顔から剥がされ、そのままにぎって
私のお腹の上に置かれた




私「ちゃんと、お別れしてきたよ」



北「うん、そっか」




ぽつり、ぽつりと、話すと、
また自然と涙が出てきて、



なんにも言わずに拭ってくれる
みっくんの手はとても暖かい




私「はぁ、いっぱい泣いたら、すっきりしたー」



北「あいつ、良い奴だったんだな、
ヤスにちょっと聞いてたけど」



私「うん」



北「後悔してない？」

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