【あんスタ】そばにいるよ【大神晃牙】 (ページ1)

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01.プロデュース科は、1人でいいと思いませんか？ページ1

人は、生まれながらに平等じゃない。

「プロデュース科は、1人でよかったと思いませんか？」
「そんなこと言うなよ、あきやん。Aだって頑張ってんだよ」
「頑張るとか頑張らないとか、そういう次元の話ではありません。片方には才能があり、もう片方にはなかった。芸能界は、努力が簡単に認められる世界ではありません」

分かっていた。
分かっていたんだ、自分が劣っていることくらい。自分が、あんず先輩に敵わないことくらい。
分かっていたはずなのに、その言葉は私の心を貫いて大きな風穴を開けた。そこからどろりと何かが流れてくる気がして、私は提出しようとしていたプリントを握りしめた。ぐしゃっと嫌な音を立てたそれに構わずに、私は踵を返して職員室から遠ざかった。

あんず先輩は、すごい人だ。転校して2ヶ月足らずで、この学校を改革と称し、できたばかりの新星ユニットを学園一のアイドルへとプロデュースした。
そんな彼女を尊敬の目で見る人たちは多く、私もそのうちの1人だった。＿＿すごいなあ、私も二年生になる頃には、あんず先輩みたいになりたいなあ。
そんな純粋な感情も、羨望も、叶わないと知ったのはいつのことだったのか、もう忘れてしまった。

とにかく職員室から離れたくて、私は中庭についていた。憎たらしいほど青い空と、咲き誇る花壇の花々と、校舎から聞こえるどこかのユニットが練習する音が、私を異物のように感じさせる。
あんず先輩と、アイドルたち。その二つで構成されたものに、私という異物が入り込んでしまったような。

手に持ったプリントは、もうぐしゃぐしゃで提出できるようなものではなかった。でもいいんだ、出したところで私の才能のなさを椚先生に再確認させて、ため息をつかれるだけなのだから。

もういいや、そう思ってプリントを破こうとしたときだった。

「テメ～、なにやってんだよ」

低い声がかかった。目を向ければ、見たことのある姿が瞳に映った。
UNDEAD所属、大神晃牙先輩だ。