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会見が始まる、という時彼は何故か私の手を引いてきた。もちろん左手で。
たくさんの光が私たちに降り注ぐ。
眩しい。
明日にはこの手もニュースになってしまっているんだろうな、とどこか他人事のように考える。
「本日はお集まり頂きありがとうございます。
私大谷翔平と目黒Aは結婚致しましたことをご報告致します。」
彼がそう言うとより一層光が私たちを襲ってくる。
慣れているもののフラッシュはあまり好きではない。
顔を顰めそうになっていたその時、机の下で彼が手をぎゅっと握ってくれた。
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「ご結婚おめでとうございます。大谷選手。お二人の馴れ初めを教えてください。」
「ありがとうございます。僕達は親同士の仲が良く、いわゆる幼馴染という関係でした。」
「ありがとうございます。それでは交際へ発展するのも早かったということでしょうか？」
「いえ、それは本当に最近のことです。僕がメジャーリーグに行く時に告白したので、お互いの好意を自覚したのもそのタイミングでした。」
「ありがとうございます。では次は目黒Aさんの方にお伺い致します。お互いになんと呼びあっているか、教えてください。」
「え、あ…私からは翔平くん、彼からはAちゃんと呼ばれています。」
「ありがとうございます。それは幼馴染からの名残ということでしょうか？」
「そうですね、彼は幼馴染からの名残かなと思います。」
「と、言いますと？」
「私は元々大谷、と呼んでいたので翔平くんと呼び始めたのはほんとに最近ですね。3ヶ月くらい前です。笑」
「ありがとうございます。では次に大谷翔平さん、アナウンサーの方や女優の方には興味が無いと以前仰っていましたが目黒Aさんはどうなのでしょうか？」
「えっとー…僕はアナウンサーや女優を武器として近づいてくる女の方が苦手です。ですがAちゃんは幼馴染ですし、アイドルだからAちゃんとお付き合いさせて頂いていた訳ではありません。僕はAちゃんをひとりの人間として大好きですし、もしAちゃんがアイドルを辞めたとしても愛し続ける自信があります。」
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作者名：なみ | 作成日時：2023年3月10日 22時
