あなたへと歌う (ページ11)

今日:4 hit、昨日:11 hit、合計:101,419 hit

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レッスン、打ち合わせ、リハーサルなどを繰り返しているうちにあっという間にライブ本番となった。

自分自身アイドル活動に専念したいのもありあまり彼とは連絡をとっていない。
だが毎日のおはよう、今日は何をするという連絡のみ欠かさなかったしこのおかげで私の心が保たれていたのは言うまでもない。

いつものスタイリストさんにヘア、メイクセットをしてもらっている時に隣からクスッと笑い声が聞こえた。

「…なによ。」

「いやぁー…Aも大人になったなと思って。入学当初なんかこんなだったのに」

そういい腰のあたりに手をやり「ここくらいだったかな？」と笑っている。
こんな呑気なやつは私がオーディションの時からお世話になっているスタイリストだ。
プライベートでは仕事終わりにたまにご飯に行くくらいの関係。私からしたら親密な関係だと言える。

「今日例の幼なじみは見に来るの？」

「知らない。聞いてないから」

「そっかぁー…面白くなぁいなぁ」

幼なじみがあの大谷翔平だと知っている数少ない人物でもある。
実は私が連絡を返している時の僅かな表情変化で問い詰めてきた。今でもこの人は少し恐ろしい。